体内時計を狂わす恐怖の夜間フライト
お客様が寝静まった機内。
ふと目が覚めてお飲物を頼もうとすると、さっと笑顔で出てきてくれるCA(客室乗務員)を見て、「夜中なのに何でこんなに元気なんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
乗務時間がちょうど夜中にかかるフライトは「オーバーナイトフライト」と呼ばれていて、国際線をフライトする客室乗務員にとっては避けて通れないものです。そして、これが体内時計を狂わす恐怖のフライトなのです。
そのため、毎回オーバーナイトフライトで夜中に機内で元気に働く陰には、実は涙の努力があります。
ここでは現役国際線客室乗務員の私の、夜勤前の一日の過ごし方を大公開!
そこに隠されている「夜勤でも元気に働くための秘訣」を伝授いたします。
夜間フライト前の過ごし方
大体の外資系航空会社の出社時間はフライト出発の2時間半前。いつもこの時間から逆算しながら1日を過ごします。
今回は夜中1時出発/ 午前8時着のオーバーナイトフライトの便を参考に、1日の時間の使い方を細かくご紹介します。
10:00 起床10:30 シリアル、フルーツなどで朝ごはん① (カフェインは朝のうちに取る)
11:00 プールサイドで読書
12:00 ヨガ
13:00 昼食 ②(多めにとる、カフェインは控える)
13:30 洗濯、掃除
14:00シャワー
14:30 マニキュアを塗る
15:00 部屋を暗くする 温かい飲み物を飲む
16:00 YouTubeでドラマ鑑賞 ③(シリーズ物は観ないよう注意)
17:00 就寝20:00 起床20:10シャワー
20:30 お化粧
20:45 髪の毛を夜会巻きに
21:00 軽い食事 ④(素麺、お蕎麦、豆腐、野菜など)
21:30 パッキング
21:40 チェックイン、乗務員の名簿確認
22:00 タクシーを呼び空港へ
22:15 空港到着22:20 オフィス出社
22:30 ブリーフィング室へ
23:00 ブリーフィング開始
23:30 ブリーフィング終了
23:45 機内へ
00:15 搭乗開始
01:00 離陸
01:30 飲み物サービス
02:00 機内が暗くなる
45分毎の飲み物サービス、トイレチェック、機内の安全確認、引き継ぎ準備、朝食(自分達の)
06:00(現地時間) 朝食サービスを開始
08:00 着陸
08:30 引き継ぎ業務
09:00 ホテルへ
10:00 シャワー
11:00 就寝
明らかに昼夜逆転しているのが分かるかと思います。
こんな昼夜逆転の状態でどう夜勤を元気に乗り切るのか、ポイントを解説します。
カフェインは午前中に!
どうしても飲みたくなってしまうコーヒー紅茶などのカフェインは、朝のうちに摂取してしまいましょう。
朝しっかりと目覚めることでお昼寝の助けになります。
揚げ物は我慢せず昼間食べる!
お昼のうちに揚げ物や匂いのキツイものを食べてしまいます。
すると夕方ぐっすり眠れて、夜の食事が軽くて済みます。またカフェインは控えましょう。
ノンカフェインの麦茶、コーン茶などはご飯に合いますよ。
ノンストップになりそうな本や映画は控える
シリーズ物は続きが気になって眠れなくなる事があったり、観るのを止められなくなる可能性がある為、控えるようにしています。
フライト前の食事は軽めで高タンパクなものを!
重い食事を取るとどうしても夜に眠くなりがちです。
軽い食事で高タンパクな物を摂取しましょう。
また、口臭予防の為、匂いのキツイものは控えます。
以上4つの事などに注意しながら軽いヨガなどの運動をして、基礎体力を上げることを日頃から心がけています。
工夫することで夜勤も頑張れる
ここだけの話、私は本当に体力が無いほうです。
それでもこのように工夫することで過酷な夜間フライトを元気に乗り切ることができています。
同僚には同じスケジュールでももっとパワフルに過ごしている人もたくさんいます。
自分の性格や体力と相談しながら、ベストな過ごし方を見つける事が大切です。
今回ご紹介した夜間フライト前の時間の使い方や4つのポイントが、不規則な中でも元気に働くためのヒントになれば幸いです。