ジェス・グリン『オールウェイズ・イン・ビトウィーン』 ゴスペルを原点にしたパワフルな歌唱

ジェス・グリン『オールウェイズ・イン・ビトウィーン』

 1989年ロンドン生まれのシンガー・ソングライター。そのパワフルでデリケートな歌唱力に感動したクリーン・バンディットが、彼女のヴォーカルをシングル『ラザー・ビー』(2014年)でフィーチャーしたところ全英1位、全米10位のヒットに。さらに第57回グラミー賞で最優秀ダンス・レコーディング賞を受賞し、一躍世界にその名が知られるようになりました。15年に発表したデビューアルバムは世界で200万枚を売り上げ、エイミー・ワインハウス、アデルに続く英国を代表する女性シンガーとなったのです。

 デビュー・アルバムはソウルフルなヴォーカルを活かしたダンス&ポップ・アルバムでしたが、新作はジャンルに縛られないフリーなソウルミュージックといえます。彼女の音楽の特徴はゴスペルに聴かれるコール・アンド・レスポンスのスタイル。パーソナルな詞をコーラスと共にパワフルに畳み掛けていく世界です。ローリン・ヒルの影響を受けたと言う彼女ですから幼い頃『天使にラヴソングを2』を観ていたのかもしれません。

(ワーナーミュージック・1980円+税)=北澤孝

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