「日本代表、森保ジャパンで評価を爆上げした5人の新鋭」

ワールドカップ終了後、森保一監督のもと新たなスタートを切った日本代表が2018年の戦いを終えた。

世代交代も見られるなか、年内5試合は4勝1分と無敗。ここでは、新体制のなかで評価を上げた選手たちを取り上げたい。

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南野 拓実

ロシア大会前に招集を待望する声はほとんどなかった南野だが、森保体制の発足以来3試合連続ゴールを記録して自らの手で立場を一変させた。

ただもともと柿谷、宇佐美に続く“逸材”として年代別代表のエースを務め、2014年大会に19歳で予備メンバー入りした大器。ハリルホジッチ監督からは冷遇されたものの、本来いるべきところに戻ってきたというのが正確なところだろう。

重圧とは無縁のような精神力、それとは反対に鉛のように“重い”シュートは日本人の選手としては稀有なものがある。この11月はゴールを決められなかったが、アジアカップではきっと大暴れしてくれるはずだ。

堂安 律

わずか数か月でこれほどまでにフィットするとは誰も想像だにしなかったのではないだろうか。

ガンバ大阪ユースの“最高傑作”として讃えられ、オランダ1年目で「ロッベン、スアレス超え」の活躍を見せた堂安に対しては、ロシア大会へのサプライズ招集を願う声も根強かったが、未知なるものへの過剰な期待かとも思われた。

しかし今そのことを疑う者は皆無であろう。古巣ガンバ大阪のホームスタジアムで行われたコスタリカ戦でデビューを飾り、先月のウルグアイ戦で早くも初ゴールを記録した彼は、今や中島翔哉、南野との三銃士、大迫も含めたカルテットの一人として欠かせない存在となっている。

遠藤 航

ワールドカップの23人に選出されながら出番を得られなかった遠藤。しかし自己分析能力に優れる彼は、大会後にボランチで勝負することを明確にして渡欧してから吹っ切れたような感がある。

2つの枠しかない守備的MFのポジション争いで、ロシア大会で主力を務めながらスペインで出番を失っている柴崎岳、森保監督の教え子であるもののケガがちでやや安定感に乏しい青山敏弘を差し置いて、先頭に立っているといってもいい。

森保ジャパンは当初、長谷部の“後継者探し”が一つの課題であったはず。しかし彼の急成長によって既に誰もがそのことを忘れてしまっているほどだ。

冨安 健洋

東京五輪のU-21代表を牽引する森保監督は、「A代表にかかわりながら五輪」を掲げており、経験を積ませるために若い選手をあえてA代表に呼ぶことも示唆している。

当初は冨安もその一人だったのかもしれない。しかし「アジアの壁」と呼ばれた井原正巳氏の薫陶を受けた彼は、パナマ、ベネズエラ戦で先発起用されると、吉田麻也の相棒を務める資格があることを十分に示した。ベネズエラ戦のスーパークリアは鮮烈だったが、それ以外でもベルギーに行ってから磨かれたというフィード面も目についた。

吉田が彼と同年齢だった時に比べれば遥かに完成度は高く、そのことは吉田自身も認めるほどだ。ベネズエラ戦の後にケガをしてしまったのは心配だが、彼が先輩たちを差し置いてアジアカップで主力を務めたとしても何ら不思議はないだろう。

中島 翔哉

森保体制の発足以来、中島は「サッカーの楽しさ」を凝縮したようなプレーで日本の全国民を魅了している。

もともと欧州のビッグクラブから狙われるほど評価は高かったが、今の彼がいれば「日本はどんなことでも成し遂げられるのではないか?」そんな無限の可能性を感じさせてくれるほど、この3か月でのパフォーマンスはずば抜けていた。

かつて世界の頂点を極めたロナウジーニョは、手が付けられないような状態になると笑みが自然とこぼれる選手であった。現在の中島はまさにそれに近い状態かもしれない。試合中に映し出される彼の表情はただ純粋にサッカーを楽しむ無邪気な子供のようである。

来年1月5日からUAEで開催されるアジアカップ。覇権奪還を目指す日本代表はグループステージで、トルクメニスタン、オマーン、ウズベキスタンと対戦する。

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