厳罰化で損壊抑止 県文化財保護条例改正へ

 県内外で文化財などの損壊行為が相次いでいることから、神奈川県は県指定重要文化財などを壊した場合の罰金額を引き上げる。6月に文化財保護法が改正されたことに準じたもので、県文化財保護条例の改正案を開会中の県議会第3回定例会に提案する。

 改正案では、文化財などを損壊した行為者を「所有者」と「所有者以外」に分け、それぞれ異なる罰金額を定める。

 県指定重要文化財(有形252件、有形民俗18件)と県指定史跡名勝天然記念物(計89件)を壊した場合の罰金は、現行ではともに5万円以下だが、改正案ではいずれも所有者以外は30万円以下、所有者は15万円以下に金額を上げる。また、無許可で現状変更などをした場合の罰金も、現行の3万円以下から15万円以下とする。

 県内では、2017年に県指定天然記念物の「益田家のモチノキ」(横浜市戸塚区)の一部が所有者の関係者によって伐採されるなど、文化財が傷つけられる事案が発生している。

神奈川県庁

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