イリオモテヤマネコの像お目見え 対馬市役所 沖縄・竹富町が寄贈 対馬市役所

 長崎県対馬市厳原町の市役所本庁舎に、沖縄県竹富町の西表島に生息する国の特別天然記念物イリオモテヤマネコの像が展示され、市民の目をひいている。対馬にだけ生息する国天然記念物ツシマヤマネコを含め国内に2種しかいない野生ヤマネコが縁となり、竹富町が寄贈した。来年1月4日まで展示する。

 像(高さ105センチ、幅90センチ、奥行き60センチ)は繊維強化プラスチック(FRP)製。竹富町が西表島に昨春設置した銅像のレプリカで、岩の上に立つ雄のりりしい姿が表現されている。ツシマヤマネコと比べて鼻筋が通り、面長なのが特徴。

 両ヤマネコは、南アジアに分布するベンガルヤマネコの一種。生息数はツシマヤマネコ、イリオモテヤマネコともに100匹程度と推定されている。

 対馬市と竹富町は、人とヤマネコが共生できる環境づくりを進めようと、2015年に「ヤマネコ愛!ランド共同宣言」を発表。16年からは友好都市協定を結んでいる。銅像のレプリカは、竹富町の町制70周年を記念して今年8月、対馬市に寄贈。市は今月1日から本庁2階ロビーで公開している。

 市文化交流・自然共生課は「どちらの島にもヤマネコをはじめ貴重な生態系が残っており、独自の進化を遂げている。ぜひ違いを見て楽しんでほしい」としている。

竹富町から贈られたイリオモテヤマネコの銅像レプリカ=対馬市役所

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