【若者必読!】11月25日投票の和歌山県知事選の投票日前に知っておきたい和歌山県に関する10の数字

和歌山県知事選挙が11月8日告示、11月25日投開票で争われています。和歌山県では18歳選挙権のもとで行われる初めての県知事選挙ということもあり、若者の動向が注目されています。
そこで、和歌山県政において若者とかかわりのある10の数字をご紹介します。候補者の政策を読み解く際の参考資料として、ぜひご確認ください。

和歌山県の人口は97.5万人 。毎年、2千人の若者が県外へ

和歌山県の人口は約97.5万人(平成30年1月1日住民基本台帳人口)、平均年齢は48.7歳(2015年国勢調査)です。1985年に108.7万人ほどであった和歌山県県の人口は1990年代後半には緩やかに減少をはじめ、近年そのペースが早まっています。特に目立っているのが若者の県外への移動です。図表にもあるように、高校や大学の卒業を迎える年代で毎年2,000人程度の転出超過となっています。なお、国勢調査を基にした分析では、若者世代の県外への転出超過は少なくとも1980年代から続いていることも明らかになっています。

図表1_和歌山県の年齢別人口の推移、年齢階級別純移動数

また、少子高齢化の影響も今後ますますはっきりと表れてきます。
65歳以上の方は2010年には県民の4人に1人でしたが、2020年には3人に1人となり、2040年にはおよそ40%の県民が65歳以上の方になる見込みです。

2025年には2千人の介護人材が不足

高齢者人口の増加は、近い将来の介護需要の増加にも結びついていきます。
厚生労働省の調査によると、2016年度に和歌山県内には2.1万人の介護職員の方がいましたが、2020年には2.1万人、2025年には2.3万人の介護職員の需要が見込まれています。今後も介護職員の増員が進められる見込みですが、2025年に見込まれている職員数は2.1万人と2千人程度の不足が予想されています。

和歌山県の待機児童数―16人(保育所)と116人(放課後児童クラブ)

少子高齢化の傾向が強まる一方で、和歌山県の合計特殊出生率(平成29年度)は1.52と全国平均1.43を上回っています。地域の中で子どもたちが健やかに育まれ、活躍していくことが期待されますが、子育てに関する課題もあります。
厚生労働省による調査では、和歌山県の待機児童数は今年の4月1日時点で16人。前年度からは13人の減少となりました。なお、前回県知事選挙のあった2014年の保育所待機児童数は10名でした。
また、「小1の壁」が有名な放課後児童クラブの待機児童数は前年度(91人)よりも25人増えて116人(2017年5月1日時点)となっています。前回県知事選挙のあった年である2014年5月1日時点の放課後児童クラブの待機児童数は89名でしたので、近年その需要が高まっていることがわかります。

10万人当たりの小児科医数122.8人は全国10番目。和歌山県の医療環境

10万人当たりの小児科医数は122.8人と和歌山県は全都道府県の中で多い方から数えて10番目となっています。なお、診療科を問わない医師数は235.1人と全国で8番目です。

図表2_和歌山県の人口10万人当たりの医師数、小児科医数

人口当たりの医師数、小児科医数ともに多い方から順に並べていくと、近年、和歌山県は10位前後の順位が続いています。

女性の就業率は65.1%。過去15年間で12%の上昇

男女共同参画白書(平成29年版)によると、和歌山県の女性の就業率は65.1%と2000年(53.2%)に比べて12%程度高まっています。また、対象を25歳から44歳に絞ると女性の就業率は73.6%となり、こちらも2000年(57.7%)に比べて15.9%の増加となっています。企業等で活躍する女性の増加に伴い、待機児童など子育て支援のための取り組みの重要性も高まっています。
また、文部科学省の調査では和歌山県の女性の大学進学率は50.5%(全国平均57.7%)と全国で34番目となっています。なお、男性と女性を合わせた大学進学率は47.8%と全国で30番目です。

有効求人倍率は1.29倍。最低賃金は4年前から88円増加するも近畿では最も低い

全国的にも「売り手市場」にあると言われている雇用環境ですが、和歌山県でも人手不足が顕在化しています。
和歌山県における有効求人倍率は平成26年度(1.00倍)から1倍を超える状況が続き、昨年度は1.29倍となっています。また、和歌山県の最低賃金は2018年度は803円と、前回県知事選挙のあった2014年度から88円の増加となっています。なお、近畿(本稿では滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県とする)で比較をすると、最低賃金は大阪府(936円)が最も高く、和歌山県が最も低くなっています。

1人当たり県民所得は273.8万円

県民経済計算によると、和歌山県の平成27年度の県内総生産(名目)は3兆5270億円、増加率は-1.8%と、全国平均(3.1%)や近畿平均(2.7%)を下回る増加率でした。なお、県内総生産がマイナスとなっているのは和歌山県と山口県だけでした。
平成27年度の1人当たり県民所得273.8万円で、すべての都道府県の中で高い方から数えて30番目、近畿では5番目となっています。県民所得の増加率は年によってばらつきがあるものの2年続けてマイナスとなっています。

生活保護受給世帯は1.2万世帯。10年間で1.4倍の増加

千葉商科大学 戸室氏による都道府県別のワーキングプア率(就業世帯のうち、最低生活費以下の収入しか得ていない世帯の割合)の比較において、和歌山県は2012年に12.1%、全国で8番目に高くなっています。なお同数値は2007年には8.7%でした。
同じ調査における子どもの貧困率(18歳未満の末子がいる世帯のうち、最低生活費以下の収入しか得ていない世帯の割合)は2012年に全国で9番目に高い17.5%となっており、こちらも2007年の13.8%から増加しています。
これら結果を裏付けるように、生活保護を受給する世帯の数も8,660世帯(2006年)から12,200世帯(2016年)と10年間で1.4倍に増加しています。

平成30年度予算は5,535億円。県民一人あたりでは56.8万円

和歌山県の平成30年度当初予算は5,535億円です。県民一人当たりにすると、約56.8万円になります。
予算の使い道としては、学校の運営や文化の振興などにあてられる教育費19.6%が最も多く、続いて商工費14.8%、土木費13.6%となっています。
子育てに関する取組では、年収約360万円までの世帯に対して第2子の保育料等を無償化する取組などが新設されています。

前回県知事選挙の投票率は39.65%。

県知事選挙の有権者数は約82.3万人です。和歌山県を100人の村に置き換えてみると、村人の内84人が投票権を持っていることになります。前回県知事選挙の投票率は39.65%でしたので、今回も同じ投票率だと仮定すると県知事選挙で投票する村人は33人になります。
実は今回の県知事選挙と前回の県知事選挙を比べてみると、新たに10代の有権者が加わったにもかかわらず、有権者数は259名減少しています。このことは少子高齢化の傾向が強まり、人口も減少傾向にある和歌山県を象徴する事柄となっています。
動向の注目される10代有権者ですが、衆議院議員選挙での10代有権者の投票率は35.48%と全年代平均52.96%を下回っています。また、全国の10代有権者の投票率40.49%よりも低くなっています。
今回の県知事選挙における期日前投票での投票率は、告示日から10日目を終えた時点で6.6%と前回4.1%や前々回3.2%の同時点の投票率を上回っていますが、このことは県民の県政への関心の高まりを示すサインとなっているのでしょうか
今後、他のどの世代の方よりも長く和歌山県とかかわりを持つことになる若者世代が、和歌山の未来を「自分ごと」として考え、各候補者の政策を読み解き、納得のいく1票を投じていくことが期待されます。

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