レイズが今季30本塁打の長距離砲・クロンをDFAに

レイズは2年連続でチームの主力打者を放出する決断をした。ルール5ドラフトに向けてロースター整理を進めるなかで、レイズは今季チーム最多の30本塁打を放ったC.J.クロンをDFAに。昨オフにオールスター選手のコリー・ディッカーソンをDFAとしてパイレーツへ放出したのに続き、今オフもチーム構想から外れることが濃厚な主力打者を自ら手放すことになった。

ディッカーソンに代わる指名打者として今年2月にエンゼルスからレイズに加入したクロンは、自己最多の140試合に出場して打率.253、30本塁打、74打点、OPS.816をマーク。昨季まで3年連続で16本塁打どまりだったが、ついに殻を破り、一気にシーズン30本塁打の大台に到達した。レイズはクロン以外に15本塁打以上を放った選手がおらず、チーム唯一の長距離砲として存在感を発揮していた。

レイズのチェイン・ブルームGMはクロンのDFAを決断したことについて「今季のクロンの働きと、チームに対する貢献ぶりを考えると、今回の決断は難しいものだった」とコメント。「クロンが我々のチームに戻ってくることについてドアを閉ざしているわけではないけれど、出場機会を必要としている選手がたくさんいることを考えると、クロンと再契約するのはチーム状況に合わないと思う。今季の彼のパフォーマンスを軽視するわけではないけれど、(チーム内の戦力で)彼の穴を埋めることはできると思っている」と自身の見解を語った。

今季のクロンの年俸はおよそ230万ドル。今オフが年俸調停の2年目となり、さらなる昇給が見込まれていた。長打力は魅力的だが、それ以外の面での貢献はほとんど期待できないクロンを、今季以上の年俸でスモール・マーケット球団のレイズが抱えておくのはチーム編成に支障をきたしてしまう。レイズがクロンのDFAを決断したのは、決して理解できない話ではない。

「我々の選手たちが力を合わせることでクロンの貢献分の穴を埋めることはできると思っている」とのブルームの言葉には、独自路線でレッドソックスやヤンキースに対抗できるチームを作り続けている自軍のチーム編成能力への自信がうかがえた。

© MLB Advanced Media, LP.