JR九州のダイヤ改正に伴い廃止される長崎―佐世保間の特急「シーボルト」が3月14日、最後の運行を終えた。「オランダ村特急」「ゆふいんの森Ⅱ世号」として活躍、展望室などを備えた優雅な車両は、県内では見納めとなった。
「シーボルト」は1,999年3月に運行を開始。長崎―佐世保間を約1時間20分で結び、1日2往復した。JR九州によると、快速列車の充実を求める利用者の声が多かったことや、特急利用者の伸び悩みが廃止の理由という。
車両自体は「オランダ村特急」として88年3月―92年3月に小倉―佐世保間、「ゆふいんの森Ⅱ世号」として92年7月―99年3月に小倉―別府・大分―湯布院―博多間でも運行した。今後の車両の利用については未定。
14日は午後4時37分に佐世保駅を出発する最終便を一目見ようと、出発の約1時間前から鉄道ファンがプラットホームに集まった。さまざまな方向から列車をカメラで撮影する若者や最初に停車する早岐駅まで乗るという親子連れもいた。
鉄道で九州を旅行している長野市の大学生、矢口紘史さん(21)は「旅の途中で、シーボルトの廃止を知り佐世保まで来た。なくなるのは寂しいが、最後の姿に出合えてうれしい」と話し、長崎に向けて乗り込んだ。(平成15年3月15日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。