【平成の長崎】「ナガサキピースミュージアム」オープン さだまさしさんが発起人 平成15(2003)年

 長崎市出身の歌手、さだまさしさんが発起人となって建設活動を進めてきた平和情報の発信施設「ナガサキピースミュージアム」が4月19日、長崎市の松が枝ふ頭の一角にオープンした。募金活動に取り組んできた、さださんら県内外のボランティアなど二百人以上が参加して落成祝賀報告会があった。
 同施設は、被爆50周年の1995年、さださんが「被爆地から平和への願いを発信しよう」と提唱。建設費の募金活動が草の根的に全国に広がった。これまでに約1億円の募金が寄せられ、運動開始から足かけ8年で開館にこぎ着けた。
 敷地面積191平方メートル。鉄筋2階建てで約82平方メートル。総工費5500万円。施設ではパソコンや地図で世界の紛争情報を提供。随時、写真展などを展開する。平和を祈る五線譜をイメージしたモニュメントやイベント用の舞台も設置。夜間は赤、緑、白の三色でライトアップする。
 市内のホテルであった報告会では、設計者の古市徹雄さん、画家で同施設の名誉館長に就任する原田泰治さんらがあいさつ。さださんは「皆さんの協力で素晴らしいものができた。世界に平和を伝える発信基地にするためには、これからが本番」と語った。(平成15年4月20日付長崎新聞より)
   ◇   ◇   ◇
【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

平和情報の発信施設「ナガサキピースミュージアム」=長崎市松が枝町

© 株式会社長崎新聞社