“食の循環”完成祝う 道志の野菜、生産者と堪能 横浜

 横浜市内の飲食店から出た生ごみを堆肥として活用し、市の水源地・山梨県道志村で育てた野菜を味わう催しが24日、同市中区の食堂で開かれた。生産者も招かれ、店の常連客ら40人とともに“食の循環”の完成を祝った。

 ごみを減らして食の循環につなげようと、市内で飲食業に携わる太田久士さん(56)が「フードループ」と名付けて取り組みを考案した。同村の生産者30人が登録し、今夏から週に1度、産地直送の野菜が市内の6店舗に届くシステムが完成した。

 今回の催しは、フードループの成果を実感してもらおうと、参加店の一つ「あいおい食堂」(同市中区相生町)で企画。大根、カブ、ジャガイモ、ゴボウなど季節の野菜を使った煮物、炒め物、サラダ、マリネなど14種類の料理が並び、常連客らが堪能した。

 店主の原由里子さん(51)は「顔の見える方々が生産している野菜なので安心。家族に食べさせたい料理という店のコンセプトともぴったりで気に入っている」と話す。生産者の杉本秀明さん(63)は「町おこしで始めた野菜づくりだったが、使ってくれる店ができたのは画期的でありがたい。いろいろなつながりができて希望が持てる」と笑顔で語った。 

食の循環の完成を祝う参加者ら=横浜市中区のあいおい食堂

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