旧県庁舎跡地 「公園、展望所、ギャラリーに」 長崎総科大でシンポ 被爆遺構 旧第3別館活用も議論

 旧県庁舎跡地周辺の都市計画について考えるシンポジウム「都市の記憶II」が24日、長崎総合科学大(長崎市網場町)であり、跡地整備の方向性や被爆遺構の旧第3別館(旧長崎警察署)の活用について意見を交わした。
 同大の学園祭「造大祭」の一環として、同大長崎平和文化研究所と同大付属図書館が共催。約30人が出席した。
 同大工学部の李桓(りかん)准教授は、旧県庁舎がある同市江戸町について「長崎の中心のさらに中心。(整備は)都市全体に影響を与える」と主張。跡地は「(岬の教会や長崎奉行所西役所があった歴史を踏まえ)公共性、国際性を兼ね備え、市民が日常的に使える場所にするべき」とし、公園や展望所、ギャラリーなどを兼ね備えた「岬の公園」として整備することを提案した。
 また、旧第3別館について「大正時代の建築物としての価値以上に、被爆建造物としての価値が大きい」として、建物の規模に合わせた活用策を求めた。
 旧県庁舎跡地を巡っては、県は▽文化芸術ホール▽広場▽交流・おもてなし空間-の3機能を持たせる考え。県と長崎市は27日に開会する定例県議会、市議会でそれぞれ方針を表明するとみられる。

旧県庁舎跡地の整備案を説明する李准教授(中央)=長崎総合科学大

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