平戸藩主の別邸庭園「棲霞園」 紅葉の時期に公開

 江戸後期の平戸藩主、松浦熈(まつらひろむ)公の命で造られた別邸庭園で国の名勝、平戸市岩の上町の「棲霞園(せいかえん)」が24日、一般公開された。
 棲霞園は1829年に約20年かけ造成された斜面地を生かした回遊式庭園。南九州大名誉教授の永松義博さん(67)=庭園学=が30年以上前から学生を連れ復元に尽力してきた。公開は通常年に1度だが、今年は園内の紅葉も楽しんでもらおうと、再度企画した。
 永松さんと同大研究室OBが案内役。水が濁らないよう池の底に板石を敷き詰めた「澄鑑池(ちょうかんのいけ)」や、熈公をたたえた石碑のある「寿碑邱(じゅひのおか)」、平戸城に通じる石段「楠御門(くすのきごもん)」などを紹介した。
 OBの藤吉拓也さん(27)は「草刈りや剪定(せんてい)などの作業に取り組んだが、多くの人に喜んでもらえうれしい」。永松さんは「今後年2回の公開を定着させたい」と話した。

南九州大のOB(左)の説明に耳を傾ける見学者ら=平戸市、棲霞園

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