「これだけの憎しみ、予想してなかった」 ファイナル進出逃したメドベージェワ選手

By 太田清

メドベージェワ選手

  24日行われたフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦、フランス杯最終日はショートプログラム(SP)2位だった16歳の紀平梨花選手がフリーは1位となり、GP初出場優勝のNHK杯に続く2連勝。対照的に平昌冬季五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ選手(19)はジャンプで着氷が乱れて3位だったSPから順位を落とし4位に。シニアGPデビューの2015年から続いていたファイナル進出(17年は負傷欠場)が途切れてしまった。 

 メドベージェワ選手は競技後、ショックを隠せない様子で「(フリーでの失敗は)メンタル面での問題。失敗したことを認めるわ。自分の弱さは『頭の中』にありました」と語った。ニュースサイト「ガゼータ・ルー」などが伝えた。 

 「本当に、いい演技をしたかったんだけど。気が緩んでしまって。(こんな結果になるとは)思いもしなかった」と後悔の言葉が続いた。 

 さらに、メドベージェワ選手は「(ファンからの)非難や期待、中傷に対して心の準備はできていたんだけど、こんなに多くのネガティブな反応や憎しみがあることは予想しなかった。今後はこうしたことにも慣れていかないと。注意を向けないことも学ばないと」とも強調。また「エージェントがやるかもしれないけど、自らSNSはもうしないと決めたの」とも語った。 

 長年、金メダリストのアリーナ・ザギトワ選手らとともにロシアの著名女性コーチ、エテリ・トゥトベリゼさんに師事していたメドベージェワ選手は今シーズンから、同コーチの元を離れ、羽生結弦選手を指導するカナダのブライアン・オーサー・コーチの元に移籍。

 これに対し、ロシアのファンから「コーチを、祖国を裏切った」との批判が相次いでいた。7月に自身のインスタグラムに英語で書き込んだだけで「コーチを裏切り、今度はロシア語で書くのをやめたのか。よそへ行って他の国のために演技してくれ」などの書き込みが続いていた。 (共同通信=太田清)

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