史上初の試み!?東京ヴェルディの選手になれる「vers」とは?

J2、東京ヴェルディが2016シーズンからファン・サポーターがヴェルディの選手の疑似体験をできる「東京ヴェルディvers」を実施している。既に11月16日(金)から2019シーズンの選手募集を開始している。

28万円で東京ヴェルディの選手の一員に

Jリーガーに憧れている人は、子どもから大人まで多くいるだろう。そんなJリーガーになる疑似体験ができる取り組みを東京ヴェルディが行っている。

この取り組みはは、Verdy Expanded Roster Systemの頭文字を並べた言葉で、『ヴェルズ』とvers(ヴェルズ)と呼ばれ、2015年から開始されている。ファン・サポーターが51〜99番の中から好きな番号を自分の番号としてクラブに選手登録することができ、希望の背番号と登録名がプリントされたオーセンティックユニフォームなどを先行入手できるという。

さらには、ホームゲームで選手として大型ビジョンで紹介されたり、Jリーグ公式戦のピッチにトップチームの選手と同じタイミングで入場するなど、本物の選手のような体験ができる画期的な商品なのだ。

versの17ある特典は以下の通り

1 指定する番号を自分の番号として登録

2 指定番号、ネームが入り1st・2ndオーセンティックユニフォーム(パンツ、ソックスを含む)を進呈

3 50周年記念セレモニー出席

4 50周年特別ユニフォームを進呈(パンツ・ソックスを含む)

5 ホームゲーム時スタジアム設置選手一覧パネルへ掲載

6 VERS選手タオルマフラー進呈

7 オフィシャルイヤーブックに選手情報を掲載して進呈(写真、プロフィール、サイン付)

8 トップチーム監督によるミーティングを実施

9『VERDY FAMILY FES. 2019』にて選手紹介を実施

10 公式サイトに選手情報を掲載!(写真、プロフィール付)

11 VERSの選手レプリカユニフォームを販売

12 2019ホーム開幕戦の大型ビジョンで選手紹介を実施

13 ヴェルディグラウンドでトップチームのスタッフが指導するトレーニングに参加可能

14 クラブハウス食堂での昼食体験を実施

15 スタジアム入りから選手入場までの選手体験を実施

16トップチームの選手との交流会を実施

17 VERSの選手同士の交流会を実施

出典: www.verdy.co.jp

その価格は28万円で2019シーズンの申し込みは11月16日(金)から12月18日(火)となっている。もちろん、公式戦に出場するための選手登録ではない。ファン・サポーターにとっては選手と同じような体験ができる機会はとても貴重なことに違いない。

天国から10歳の少年も参加

2016シーズン、このversの企画に10歳の少年が天国から参加し複数のメディアでも取り上げられ、話題となった。

同年1月17日に行われた東京ヴェルディの新体制発表会で2015年の夏に10歳で亡くなった岩田和磨君(背番号55)の名前が呼ばれた。発表会には遺影とユニフォームを持った和磨君の父が参加したという。和磨君は東京都江戸川区の少年サッカーチームに所属し、GKを務めていた。

しかし、2013年の夏に脳腫瘍と診断され、1年半以上に及ぶ闘病生活が続いた。和磨君が亡くなってから3ヶ月が経った頃に母が新聞でversの企画を知り、応募したという。

そして、そのことを知ったGK柴崎貴広らGK陣は2016シーズンの開幕戦で自身の背番号ではなく、55番のユニフォームを着用してウォーミングアップを行った。

これは、当時選手会長を務めていた柴崎が「せっかくだからクラブで何かできないか」と提案し、他の選手達が賛同した形で実現したという。

ジュニアチームとのエキシビジョンマッチも開催

東京ヴェルディ公式facebookより

数多くの特典があるversだが、なんとヴェルディジュニアとのエキシビジョンマッチも行われている。2017シーズン、2018シーズンと味の素フィールド西ヶ丘で行われている。試合はいずれもヴェルディジュニアが勝利しているが、参加者は西ヶ丘のピッチでヴェルディのユニフォームに袖を通してプレーできる貴重な体験をしたことだろう。

これまでにない画期的な取り組み

Jリーグクラブはもちろん、プロスポーツクラブはチケットを買ってもらい、多くの観客が試合を観戦することで成り立つ。そのため、チケットを買って、試合を見てもらうためにクラブは様々な工夫をこらすのだが、実際に選手になったような感覚を味わい、新体制発表会で選手として紹介され、エキシビジョンマッチにまで出場することができるこの取り組みは異例といえる。

ヴェルディのこの画期的な取り組みは好評で2019シーズンで4シーズン目となる。今後も同クラブの

様々な取り組みに注目していきたい。

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