程よい時間は?

 とかく「平成最後の○○」といわれる昨今だが、平成元(1989)年と「平成最後」で人々の意識がどう変わったか、シチズン時計が先ごろ調査結果を発表した。質問の内容が一風変わっている。「あなたにとって○○の程よい時間は?」▲平成元年と今年、全国の働く人たちに同じ質問をした。「社内会議の程よい時間は?」と聞けば、元年の答えは平均1時間10分台で、今年は40分。「程よいと考える時間」は短くなったが、実際の会議時間はどうだろう▲「程よい残業時間は?」。今年の調査では男性平均が1カ月15時間ほど、女性平均が10時間ほど。1日当たり男性は40分、女性27分ほどの残業ならば「まあ、いいか」と思えるらしい▲「1カ月の程よい残業時間」は、女性では平成元年と大差ないが、男性は5時間余り減っている。思えば元年はバブル景気の真っただ中で、栄養ドリンクの広告コピーに「24時間、戦えますか」とあった▲今は働き方改革の最中で、この広告コピーも数年前、「3、4時間戦えますか」と優しくなった。程よさも世につれ、である▲仕事の付き合いでの「程よい飲食・飲酒の時間は?」。今年は1時間40分ほどで、元年より40分も短い。もうすぐ忘年会シーズン、お付き合いも程よく、きっちり1時間40分-といきますかどうか。(徹)

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