ナカジマ鋼管、新円形鋼管柱構法を開発 鉄骨の製作工数を削減、省力化でコストメリット

 コラムメーカーのナカジマ鋼管(本社・大阪市北区、社長・中島榮子氏)は、東京大学鋼構造研究室の桑村仁名誉教授と共同でノンダイアフラム円形鋼管柱構法を開発した。開発構法は従来の通しダイアフラム構法と同程度の柱梁の断面サイズで設計可能で、鉄骨の製作工数削減により省力化を図ることができることから、中島功雄専務は「コストメリットが大きい」という。今年3月には建築基準法に基づく一般評定を取得しており、同社では設計事務所やゼネコンにPRし、同構法の普及を図る。今後、円形鋼管の年間生産量3万トンを目指していく。

 従来、柱が円形鋼管で梁がH形鋼の鉄骨構造物には、通しダイアフラムプレートを取り付ける構法が採用されていた。今回一般評定を取得したノンダイアフラム構法は、地震、台風などにより強い力が加わった際、柱と梁の接合部(仕口部)の応力伝達がスムーズになるように、仕口部の円形鋼管に必要な耐性、剛性、靱性を持たせている。

 通しダイアフラムプレートを使わず柱と梁を接合するため溶接などの加工や検査工程を削減でき、省力化に役立つ。

 同社は仕口部に極厚熱間成形角形鋼管を用いたノンダイアフラム構法を東京大学の加藤勉名誉教授と共同開発し、2009年3月に一般評定を取得。さらに構造物の設計自由度が高い円形鋼管柱についてもノンダイアフラム構法の一般評定を取得した。今後、高層ビルなどでの採用増が見込まれる。

 同社は、01年に大臣認定を取得した断面が均一な熱間成形角形鋼管「スーパーホットコラム」を国内で唯一生産している。

 中島専務は「ノンダイアフラム円形鋼管柱と合わせ、グローバル化のニーズに対応してスーパーホットコラムも国内外で普及させていきたい。耐震性に優れた熱間成形角形鋼管は、すでに海外ではロンドン・ヒースロー空港やシンガポール・チャンギ国際空港など主要構造物に使われており、国内でも採用が増えている」などとしている。

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