居住促進へ広域連携を 多様な魅力の発信も 三浦半島活性化でシンポ

 産官学が連携して地域課題に取り組む「三浦半島地域活性化協議会」は26日、シンポジウムを横須賀商工会議所(横須賀市平成町)で開いた。協議会を構成する地元経済界や大学、企業のトップらが人口減対策や活性化策を話し合い、居住促進のために、外の地域との広域連携や半島域内の多様な魅力の発信の必要性を訴えた。 

 基調講演では、2人の研究者が報告した。関東学院大の立山徳子教授は「三浦半島における20代~30代女性のライフスタイル」と題し、独自アンケートに基づき、域内の各自治体に暮らす女性が持つ居住地のイメージや満足度を説明。「子育ての場として肯定的な認識がある。多様なニーズに呼応した魅力を、出産適齢期の女性に提供できる場所とのアピールを考えてもいい」と提言した。

 また横浜市立大の坂口利裕教授も子育て環境や事業所数など基礎データを基にした研究成果を報告した。

 続いて協議会代表幹事を務める横須賀商議所会頭の平松廣司・かながわ信用金庫理事長、京浜急行電鉄の原田一之取締役社長、関東学院大の規矩大義学長、横浜市立大の重田諭吉副学長と藤野次雄名誉教授、三浦商議所の寺本紀久会頭、神奈川新聞社の並木裕之代表取締役社長を加えた討論が行われた。

 原田社長は「沿線の羽田空港とリニアが発着する品川と三浦半島とをどう結ぶかは弊社の課題。三浦半島の活性化だけでなく、都内や横浜などとの広域連携のような取り組みも必要」と指摘。規矩学長は「(三浦半島の)域内で同じように利便性向上を目指すのではなく、外から見て地域の多様性を利点に変えていくことも大事だろう」と述べた。

 平松会頭は「他地域からの受け皿となるべく、地域の独自性と魅力を生んで育てていくことが協議会にも求められていると思う」と強調した。シンポには約150人が参加した。

 ◆三浦半島地域活性化協議会 かながわ信金、関東学院大、京急電鉄、三浦商議所、横須賀商議所、横浜市立大、神奈川新聞社で2016年4月に設立した。

協議会を構成するトップらが意見を交わしたパネル討論=横須賀商工会議所

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