登山中の股関節の痛みは、超簡単な『ながらトレーニング』で解決できる!? せっかく登山を楽しんでいるのに、なんだか股関節に違和感を感じる。そのまま歩いていると、何だが痛みがひどくなってきて歩くのも辛くなったという経験はありませんか?今回は登山の時に感じる股関節の痛みのメカニズムを調査。さらにその対策について、超簡単な方法をみていきます。

ドンドン増してくる、股関節のイヤ~な痛み

登山をしていて、股関節に痛みを感じたことってありませんか?「下るのも辛いほど、股関節が痛い」「右だけ痛かったのに、いつの間にか左足も痛い」など、登山中に股関節の痛みに悩まされたことがある人は意外と多いもの。

しかもこの痛み、時間が経てば経つほど痛みが大きくなってくるんです。せっかく登山を楽しみたいのに、痛みがずっとつきまとって楽しめないなんてイヤですよね。

今回は登山中に感じる股関節の痛みの原因と、その対策を紹介。この対策が意外なほど簡単なので、ぜひやってみてください。

股関節の痛みの原因は”腸腰筋”?

登山中の股関節の痛みの原因は様々ありますが、多くは「腸腰筋(ちょうようきん)」と呼ばれる筋肉の疲労が原因。登山と腸腰筋はどのように関係しているのでしょうか?まずは、そのメカニズムからみていきます。

腸腰筋とは?

体重を支え、立ったり、歩くなどの動作を行う上で非常に大切な部位である股関節 。その股関節を支えている小腰筋、大腰筋、腸骨筋の3つの組み合わせを腸骨筋といいます。(小腰筋は退化してほとんどないため大腰筋と腸骨筋の2つと言われることも。)

腸骨筋の主な働きは股関節を屈曲させたり、腰椎のS字型を維持し姿勢を保ったりするなど、運動時には非常に重要な働きを担います。

痛みがでる原因は主に2つ

登山中に腸腰筋が痛くなるのは、腸腰筋の筋力と柔軟性が不足している場合。人間は立っているだけでも腸腰筋を使っています。さらに登山では、傾斜や階段を登るため足を上げる動作のくり返し、いつもよりも腸腰筋を酷使することに。
そのため腸腰筋の筋力と柔軟性が不足していると疲労を起こしやすく、その結果痛みにつながるのです。

特に多いのは最初は片方の脚だけ痛かったはずが、反対も痛くなってしまうパターン。これは痛みが出たほうを無意識にかばって無理をした結果、左右両方の筋肉が疲労してしまうからといえます。

また、腸腰筋が固くなると脚を持ち上げにくくなるため、つまずきやすくなり転倒の危険性も増加します。

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腸腰筋の疲労は、登山をする上で避けることはできません。ですが、筋力を鍛えたり、柔軟性をあげたりすることで、痛みがでるほどの疲労を防ぐことは可能です。

筋トレと言われると「なんだかつらそう・・・」と思うかもしれませんが、腸腰筋のトレーニングはとっても簡単。テレビを見ながらでもできるので、比較的続けやすいんです。

”ながら”で出来る!超簡単な腸腰筋トレーニング

テレビを見ながらでも簡単にできる、腸腰筋のトレーニング方法を紹介します。

腸腰筋を鍛えよう!

①膝下やつま先には力を入れず、リラックスした状態で太腿が90°くらいになるように、2秒くらいかけてゆっくりと持ち上げる
②その後、2秒かけてゆっくりと上げた太腿を下ろし、反対の太腿も同様に2秒ずつかけてゆっくりと上げて下ろす

続けてやるとこんな感じです。

これを左右10回ずつ行います。
太腿を上げる時は、股関節や腸腰筋をやわらかく動かすようなイメージでおこないましょう。バランスをとるのが難しい場合は、椅子などを支えにしておこなってもOK。

腸腰筋を柔らかくするストレッチ

写真のように片膝をついた状態に。そして徐々に前方へ体重をかけていきます。

太腿の付け根あたりが、しっかり伸びていることを意識しながらストレッチを行いましょう。息をはくと筋肉が緩みやすくなるため、ゆっくりと息をはいてリラックスしながら腸腰筋をのばします。ストレッチも左右交互におこなってください。

歩き方も少し気をつけてみよう

登山中に股関節(腸腰筋)が痛む人は、一度自分の歩き方にも注意してみてください。
歩き方の注意点もシンプルで、「歩幅は小さく歩くこと」。大きな歩幅で歩いてしまうと、脚を上げる動作も大きくなり無駄に筋力を使うだけでなく、衝撃も大きくなるため筋肉が早く疲れてしまいます。

”ながらトレーニング”で痛みにサヨナラ!

登山において股関節は荷物も含めた重い体を支えながら動いており、長時間酷使されているもの。痛みを感じず楽しい登山にするためにも、日頃から股関節や腸腰筋のトレーニングやストレッチをすることが大切ですね。今回紹介した『ながらトレーニング』を習慣にするために、毎日少しずつ取り組んでみてください。

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