県庁跡地に文化芸術ホール 知事と市長が方針表明

 中村法道・長崎県知事と田上富久・長崎市長は27日、長崎市江戸町の県庁跡地に、解体した市公会堂に代わる施設として「文化芸術ホール」を新たに整備する方針で合意したとそれぞれ明らかにした。長崎市側は県から跡地を無償で借り受け2024、25年度の完成を見込んでいるが、知事は同日、この点について明言を避けた。

 市長は市議会各派代表者会議で、市が県庁跡地のうち本館跡地部分に千~1200席のホールを整備し運営することが、県との共通認識と説明。市議会の意見を聞き「建設場所を正式に決定したい」と述べた。また市幹部は、市が長崎県立総合体育館や長崎県美術館に市有地を無償貸与しているとして、ホールを建設する跡地について「無償貸与の方向で県と協議できると考えている」との認識を示した。

 一方、県は県庁跡地にホールのほか、イベント開催が可能な「広場」(5千平方メートル程度)と、歴史などの情報発信を行う「交流・おもてなしの空間」を整備する計画。「広場」と「空間」はいずれも県が運営する方針。知事は同日開会の定例県議会で「主要機能を効果的に配置し相乗効果を発揮させ、交流人口の拡大やにぎわいにつなげていく」と述べ、県議会の議論を踏まえ整備方針を決定する意向を示した。この後、報道陣に対し、ホール建設地の市への無償貸与や完成時期については「詳細は詰めていない」と答えた。

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