彼はバロンドールにふさわしかったのではないか。後になってそう語られる選手も数多く、バロンドールの選考には常に議論が付きまとう。そこで英『FourFourTwo』は、1990年以降にプレイしていた者たちの中からバロンドール獲得に値した選手を12名ランキング形式で紹介している。
まだ現役の選手もいるが、最もバロンドールを獲得すべきだったと考えられている選手は誰なのか。
12位:セルヒオ・ラモス
ラモスはまだレアル・マドリードの最終ラインを支える絶対的な存在だ。現役選手を続けている以上はバロンドール獲得の可能性が残されている。しかし、DFが同賞を獲得するのはかなりハードルが高い。チャンピオンズリーグ、ワールドカップのダブルを達成するくらいの勢いが必要だ。そう考えると、ラモスが獲得するのはかなり確率が低いか。
11位:ライアン・ギグス
ギグスはマンチェスター・ユナイテッドで数えきれないほどのタイトルを獲得した選手だが、バロンドールの最終候補3名に残ったことはない。1998-99シーズンにはマンUで3冠を成し遂げたが、当時バロンドール最終候補に入ったのはデイビッド・ベッカムだった。
10位:ネイマール
ネイマールにはまだまだチャンスがあるだろう。ただ、今回のバロンドールではパリ・サンジェルマンでチームメイトのキリアム・ムバッペも有力な候補者の1人となっている。いわゆる弟分のような存在であるムバッペに先を越されるのはネイマールにとって面白くない展開だろう。
カギを握るのは今後のキャリアだ。PSGでチャンピオンズリーグを獲得できればいいが、それが叶わないのであればバロンドールは難しい。代表で見るなら、4年後のワールドカップがラストチャンスか。
9位:フィリップ・ラーム
タイトルの数で見れば申し分ない。2012-13シーズンにはバイエルンで3冠を達成し、2014年にはワールドカップも制した。サッカーIQの高さ、運動量、テクニック、複数のポジションをこなす器用さなど、ラームの優秀さは誰もが知っている。
同メディアは2006年に元イタリア代表DFファビオ・カンナバーロがバロンドールを獲得したことを考えると、ラームもふさわしい存在だったのではとの見方を示している。
8位:ズラタン・イブラヒモビッチ
イブラヒモビッチはワールドカップも縁がなければ、チャンピオンズリーグも制したことがない。タイトルで見ればやや不十分だが、同メディアはその圧倒的な才能からバロンドールに値したのではないかとの考えを示している。
ここは好みが分かれるところだが、イブラヒモビッチにしかできないプレイがあるのも事実だ。クラブでチャンピオンズリーグさえ獲得できていれば、バロンドールを獲得できたかもしれない。
7位:ティエリ・アンリ
2001年に元イングランド代表FWマイケル・オーウェンがバロンドールを獲得したのなら、2000年代のプレミアリーグで大暴れしていたアンリも獲得するにふさわしかったのではないか。同メディアはこのように主張している。
当時のオーウェンも素晴らしい活躍を披露していたが、アンリはオーウェンよりも多い4度のプレミア得点王を獲得している。さらにオーウェンがリヴァプールでは成し遂げられなかったプレミア制覇も2度経験した。プレミアを代表するストライカーとしてバロンドールにふさわしかったのは間違いない。
6位:アリエン・ロッベン
ロッベンもラームと同じくバイエルンの一員として2012-13シーズンに3冠を経験しており、ロッベンはドルトムントとのチャンピオンズリーグ決勝でも貴重な勝ち越し点を記録する活躍を見せている。しかし、2013年のバロンドール最終候補3名に選ばれたのはチームメイトのフランク・リベリだった。
同メディアは当時のロッベンがリベリをも上回る活躍を見せていたと考えているようで、最終候補3名には入っておくべき選手だったか。
5位:ルイス・スアレス
現代も素晴らしいストライカーがいるが、スアレスはその中でも世界最高の称号を得るにふさわしい点取り屋と言えよう。ロベルト・レヴァンドフスキやエディンソン・カバーニなどライバルは多いが、スアレスほど得点を保証できるストライカーも珍しい。
ただし、同メディアはバルセロナにリオネル・メッシがいる限りバロンドール獲得は難しいと伝えている。ストライカーとしては前述したオーウェンやアンリと張り合えるだけの能力を備えているはずだが、やはりメッシの存在が大きすぎるか。
4位:ジャンルイジ・ブッフォン
GKがバロンドールを獲得したのは1963年のレフ・ヤシンが唯一となっているが、ブッフォンが獲得できなければ今後誰が獲得できるというのか。2006年にはイタリア代表の守護神としてドイツワールドカップを制覇し、ユヴェントスでも数多くのタイトルを獲得した。
残念だったのはチャンピオンズリーグを逃してしまったことで、チャンピオンズリーグさえ獲得できればバロンドールのチャンスがあったとも言われている。
3位:シャビ・エルナンデス
スアレスと似たようなケースと言える。バルセロナの心臓としてチームを支え、バルセロナで3冠も達成した。スペイン代表では2010南アフリカワールドカップも制覇した。
2009年からは3年続けてバロンドール3位には入ったのだが、全てメッシに奪われている。恐らくシャビはそれに不満を抱いていないのだろうが、メッシとクリスティアーノ・ロナウドの時代でなければバロンドールを獲得できたかもしれない。
2位:パオロ・マルディーニ
もはやマルディーニがバロンドールを獲得していないのはミステリーと言っていい。チャンピオンズリーグ制覇を5回も達成し、セリエAも7度制した。1993-94シーズンにはチャンピオンズリーグ決勝でフリスト・ストイチコフやロマーリオ擁するバルセロナを4-0で撃破し、1994年にはイタリア代表の一員としてアメリカワールドカップ準優勝を果たしている。
しかし、1994年のバロンドールでマルディーニは3位に終わった。その時バロンドールを獲得したのはチャンピオンズリーグで抑え込んだストイチコフだ。
1位:アンドレス・イニエスタ
そのマルディーニをも抑えて1位に選ばれたのはイニエスタだった。単純な能力だけでなく、同メディアが評価しているのはその勝負強さだ。2008-09シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝2ndレグのチェルシー戦では試合終了間際に決勝点を記録し、2010年の南アフリカワールドカップでは決勝のオランダ代表戦で優勝決定弾も記録した。
しかし残念ながら2010年はバロンドール2位、2012年は3位に終わった。これもメッシ、ロナウドの時代だったからだ。とはいえ今ヴィッセル神戸でそんなスーパースターを見ることができるのは非常に特別だ。改めてイニエスタの凄さが分かるランキングとなっている。