昭和電工、TDKにネオジム磁石の研究開発事業を譲渡

 昭和電工は27日、ネオジム磁石合金の研究開発事業を来年1月末までにTDKに譲渡すると発表した。秩父事業所の技術開発に係る一部設備と知的財産権を譲り渡す。昭和電工は今後、TDKと連携してネオジム磁石合金の製造を続けていく。

 昭和電工は1986年にレアアース磁石向け合金の開発に乗り出して以降、ジスプロシウムやテルビウムなどの重希土類を使用せずに従来品と同等の性能を持つネオジム磁石合金の開発に成功してきた。

 また、TDKは独自の磁性材料技術をベースに電子部品などを展開し、磁石事業ではネオジム磁石とフェライト磁石を手掛け自動車、産業機器などの分野で使用されるモーター向け製品を幅広く販売している。

 昨今は自動車のEV化の進展に伴い、世界での磁石需要は大幅に増えることが予想されるとともに、用途に合わせた合金開発を含めた磁石開発の早期化が求められている。こうした中、高性能レアアース磁石の製品化、ハイブリッド自動車や電気自動車用製品の開発など、マーケットをリードする製品の開発のスピードアップを図る目的から、昭和電工は技術・研究開発機能をTDKへ譲渡することを決めた。TDKは、磁石事業でのシナジーを発揮することで最適な合金材料の開発を目指す。

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