DV被害者の個人情報紛失 5カ月経過、神奈川県謝罪

 神奈川県は28日、ドメスティックバイオレンス(DV)被害者の女性の個人情報が記載された書類を紛失するミスがあったと発表した。紛失から約5カ月が経過しており、女性に謝罪するとともに引き続き捜索を実施。担当者は「安全確保が必要な被害者への配慮を欠いた重大な問題で、重く受け止めている」としている。

 県人権男女共同参画課によると、紛失書類は「配偶者からの暴力の被害者の一時保護に関する証明書」。被害者の氏名、性別、生年月日のほか、DVを理由として保護施設に緊急避難したことが分かる内容が記載され、封筒には支援する自治体名が書かれていた。

 横浜市内にある県の女性相談所に入所していた女性が退所時に発行を申請、6月21日付で支援を担う県内の市の担当課に送付した際に紛失したという。本来は返信用封筒で郵送するところ、県と市町村を行き来する文書集配の定期便を利用していた。11月に被害者から再び発行依頼があり、紛失が発覚した。

 県は「被害者の住所は記載されておらず、紛失書類を基に加害者から追跡されることは考えづらい」と説明。一方、逗子市のストーカー殺人事件でも被害者に関する個人情報の管理の甘さが問題視されたことなどを踏まえ、再発防止を徹底するとしている。

神奈川県庁

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