島原と京都・福知山の「青い目の人形」〝初対面〟

 昭和初期に日米友好の証しとして米国から長崎県島原市と姉妹都市の京都府福知山市にそれぞれ贈られた「青い目の人形」が“初対面”を果たした。島原市城内1丁目の島原図書館で、2体仲良く並んで展示されている。
 人形は島原市の「リトル・メリー」と福知山市の「ヘレン・ウッド」。米国で排日運動が始まった1927年、親日家の米国人宣教師シドニー・ギューリック博士が呼び掛け、日本の小学校や幼稚園などに贈った約1万2700体のうちの2体だ。
 人形は日米開戦後、多くが処分されたが、戦後にリトル・メリーが島原市立第一小で、ヘレン・ウッドは福知山市立福知山幼稚園で見つかり、現在も大切に保管されている。
 ヘレン・ウッドの存在を知った「島原親善人形の会」(大隅謙一郎代表、38人)が古川隆三郎島原市長に伝え、同市長が青い目の人形を新たな縁にさらに交流を深めようと、2体の顔合わせを大橋一夫福知山市長に提案。両市の姉妹都市提携35周年を記念した福知山市訪問団の歓迎式典が17日、島原市で開かれ、2体の“初対面”が実現した。
 人形には両市がそれぞれ贈った島原木綿と丹波木綿で作ったマントを羽織らせた。人形送付時に添えられていた当時のパスポートや手紙なども一緒に展示している。
 同会事務局長の北田貴子さんは「青い目の人形の交流を通じ、さらに両市民に友好親善の心が広がれば」と来場を呼び掛けている。
 展示は12月16日まで(毎週月曜、11月30日休館)。観覧無料。

丹波木綿のマントを羽織ったリトル・メリー(左)と島原木綿のマントを羽織ったヘレン・ウッド=島原市、島原図書館

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