新日鉄住金が新ブランド 精密加工用細粒ステンレス鋼板

 新日鉄住金は28日、精密加工用細粒ステンレス鋼板「FYGRAS(フィグラス)」のブランド展開を開始した。独自の成分設計と冷間圧延・熱処理の制御により、平坦度が高い上に加工後の変形が小さく、加工精度や疲労強度にも優れる微細粒鋼をシリーズ化した。

 素材メーカーとして発信力を高めるのが狙いで、専用ウェブサイトを同日開設した。エッチング加工・レーザー加工などを行うユーザーがその先の顧客層に対して商品価値をアピールする役にも立ててもらう。英語版ウェブサイトの立ち上げも検討している。

 直江津製造所で製造するFYGRASは、世界最小1ミクロンクラスの超微細結晶粒を実現した「SUS304H―SR3」「NSSMC―NAR―301L SE1」など7鋼種でスタートする。板厚は最薄80ミクロン。主な用途は精密加工分野(ばね材)、高耐食・非磁性の精密加工分野(同)、プレス加工・研磨分野(焼鈍材)。微細加工用途で要求される板厚精度・平坦性・低残留応力などを実現することで、電子デバイスのさらなる高性能化や小型化にも寄与する。

 FYGRASはFine Crystal Grain Stainless Steelの略語。ロゴは微細結晶粒が実現する高精度の微細加工をイメージした正方形と、未来を予感させる書体により次世代の製品を作り上げる可能性を表現している。

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