【平成の長崎】長崎歴史文化博物館開館 “悠久の時”を共有 平成17(2005)年

 海外との交流に彩られた近世長崎を中心に貴重な資料を一堂に集めた長崎歴史文化博物館が11月3日、長崎市立山一丁目に開館した。「交流・連携・発見」を基本理念に、歴史文化や観光の振興、長崎学の研究・情報発信とともに、人をはぐくむ一大拠点施設。”悠久の時”を共有し、長崎の歴史文化に新たな息吹を吹き込む。

 午前中、開館記念式典がエントランスホールで行われ、来賓や招待客、関係者ら約600人が出席。式典に先立ち、長崎検番衆による祝舞などがあり、花を添えた。

 金子知事は「文化振興や魅力あるまちづくり、地域活性化のシンボルとして、皆さんに愛され、国内外に向けた情報発信拠点として成長するように心から念願する」。伊藤市長は「来年は長崎さるく博もあり、たくさんの人にこの歴史文化博物館、また長崎の街や県内全域を歩いていただき、長崎の歴史をさらに認識していただければ」とそれぞれあいさつ。

 大堀哲館長が「来館者とともに成長、発展し、進化を続ける博物館、長崎ならではのオンリーワンの博物館を目指したい」と抱負を述べた。

 市川森一名誉館長が開館宣言し、知事や来賓のアルフォンス・ハーメル駐日オランダ大使、王昆駐長崎中国総領事らがテープカット。続いて、復元された長崎奉行所立山役所の石段下に場所を移し、籠町龍踊保存会の勇壮な龍踊りが披露された後、市川名誉館長が高らかに「開門」を宣告した。

 午後からは一般客向けのグランドオープン式典。知事らによるテープカットと同時に、生田美和さん(10)ら長崎市立桜町小の児童6人がくす玉を割り、開館を祝った。

 同日から、日蘭交流をテーマにした開館記念特別展「長崎大万華鏡」も始まり、約4千5百人の来館者でにぎわった。

 開館時間は午前8時半ー午後7時。第3火曜日休館。常設展の観覧料は大人600円、高校生400円、小・中学生300円。
(平成17年11月4日付長崎新聞より)
   ◇   ◇   ◇
【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

© 株式会社長崎新聞社