「まんぷく」肝っ玉母さん役 松坂慶子さんの存在感 エンタメ写真特集

NHK大河ドラマ「西郷どん」の出演者発表、(前列左から)鈴木亮平さん、黒木華さん(後列左から)風間杜夫さん、松坂慶子さん=2017年3月、東京都渋谷区 NHKの連続テレビ小説「まんぷく」の出演者。(左から)安藤サクラさん、松坂慶子さん、内田有紀さん=2018年3月撮影

 NHK看板ドラマの母親役として、今年最も存在感を示したのは松坂慶子さんではないだろうか。大河ドラマ「西郷どん」の西郷隆盛(鈴木亮平さん)、朝ドラ「まんぷく」のヒロイン福子(安藤サクラさん)、双方の番組で、平成の〝肝っ玉母さん〟とも言える好演で高視聴率を支えてきた。「私は武士の娘です」「私の先祖は源義経です」。朝ドラでの松坂さんの「決めぜりふ」はSNSでもホットな話題になった。エンタメ写真特集としても取り上げたい。

(まとめ 共同通信=柴田友明)

※肩書、名称、所在地はそれぞれ撮影当時

【エンタメ写真特集】

女優松坂慶子さん=1998年撮影

 大河のベテラン

 10年前の大河ドラマ「篤姫」(2008年)では、主役篤姫(宮崎あおいさん)の教育役を務める幾島役でも注目された。どっしりとした安定感で、ベテラン女優として重要な役どころを演じた。

 大河ドラマ初出演の「国盗り物語」(1973年)では、美濃の戦国大名斎藤道三の娘で、織田信長の妻濃姫役だった。史実はともかく、本能寺の変で迫り来る明智軍になぎなたを振るって戦った初々しいシーンが記憶に残っている。松坂さんは当時21歳。以降大河では「元禄太平記」「草燃える」「春の波涛」「毛利元就」など9作品に登場。「義経」(2005年)では平清盛の妻時子役を演じた。大河・歴史ドラマの〝常連〟であれば、朝ドラでの「私は武士の娘です」というセリフがツイッターなどSNSで受けたのも頷ける。

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1984年、中国・上海で行われた松竹映画「上海バンスキング」のロケで演技指導する深作欣二監督(右から1人目)、左から風間杜夫さん、松坂慶子さん、提供写真

 久々の共演

 「西郷どん」では西郷隆盛の父吉兵衛を風間杜夫さん、近所に住む大久保利通の父次右衛門を平田満さんが演じたことから映画「蒲田行進曲」(1982年、深作欣二監督)トリオの久々の共演として注目された。西郷隆盛の母満佐として演じきった松坂さんは「今回は俳優としてだけでなく人間として、2人と触れ合うことができて楽しかったですね。また共演できたら」とコメントしている(共同通信2018年1月19日配信記事)。84年の映画「上海バンスキング」でも松坂さんと風間さんは共演している。

大河ドラマ「元禄太平記」のスタジオを訪れ、出演者のあいさつを受けられるエリザベス女王ご夫妻(中央)。左から石坂浩二、松原智恵子、ご夫妻、江守徹、松坂慶子=1975(昭和50)年5月8日、NHK

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NHK大河ドラマ「草燃える」出演の松平健さん、松坂慶子さんと歓談する鄧小平中国副首相夫人の卓琳さん(左から2人目)、左端は園田外相夫人の天光光さん=1979(昭和54)年2月7日、東京・渋谷のNHK放送センター

 1970年代から現在に至るまで、ドラマ・映画の一線に立ち続け、ヒロインから母親役までこなしてきた松坂さん。79年の民放ドラマの主題歌「愛の水中歌」では、歌手としても評価された。90年代になってミュージシャンの男性との結婚について情報番組で話題になったこともある。その後、2人の娘に恵まれている。

 父親が出版した「娘・松坂慶子への『遺言』」(1993年、光文社)では、両親が戦中戦後に大変な苦労をしながら働き続け、愛娘をデビューさせた思いについて父自身が赤裸々に語っている。その父も亡くなり、母親の介護をしつつ、女優業を続ける松坂さんの暮らしぶりは今も時々女性誌などで取り上げられる。

 映像でふくよかな母親役として登場するシーンを見る度に、なぜかほっとする安心感に浸れる気分になるのは筆者だけではないように思える。

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「寅さん記念館」が開館1周年を迎え名誉館長に就任した映画監督の山田洋次氏(右)。中央は女優の松坂慶子さん=1998年11月15日、東京都葛飾区柴又

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ベトナム・ハノイの映画館で観客と記念撮影する松坂慶子さん(中央)=2015年10月13日(共同)

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発売40周年の記念イベントで、「ボンカレー」を手にする女優の松坂慶子さん=2008年2月12日午後、東京都内のホテル

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