積水ハウスとマリオット、「道の駅」隣接型ホテル

握手する仲井社長(左)とスミス社長。会見で契約書の署名式を行った

積水ハウスと米マリオット・インターナショナルは11月28日、一般道沿いの休憩施設「道の駅」に隣接するホテルを2020年秋から順次開業すると発表した。日本初上陸となる宿泊特化型ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」で展開する。道の駅をハブとして地域の観光資源を堪能でき、体験型の旅スタイルを提案するもので、地方創生事業として位置付ける。初年度は京都、栃木や岐阜など5府県15カ所で約1000室規模の開業を計画する。(富永周也)

道の駅は1993年に創設された制度で、市町村等からの申請に基づき、国土交通省道路局で登録を行う。商業施設などを併設した無料休憩所で、今年4月25日時点の登録数は1145カ所だ。

積水ハウスとマリオット社が国内の自治体と連携した「Trip Base (トリップベース)道の駅プロジェクト」は、「未知なるニッポンをクエストしよう」をコンセプトに、「地域の魅力を渡り歩く旅」を提案する。

建設は積水ハウス、運営を同社の100%子会社が行い、マリオット社に運営を委託する形式。

道の駅はもともと道路利用者のための休憩機能、道路利用者や地域の人々のための情報発信機能、道の駅を核としてその地域の自治体が連携する「地域の連携機能」という3つの機能がある。

道の駅に設けるロードサイド型ホテルのイメージ

ここにロードサイド型のホテルを隣接させ、自動車やバイク、自転車などの移動手段で、地域と人とのつながりを感じてもらい、旅行者の満足度を高めることを目指す。

フェアフィールド・バイ・マリオットは宿泊特化型の家庭的な雰囲気が特徴のホテルで、世界各国に900軒以上を展開。素泊まりのため、食事や土産の購入などは道の駅や周辺の店舗を利用することで経済波及効果に繋げる。

宿泊料金は未公表だが、米国では円に換算して1万~1万数千円の価格設定となっている。今後は兵庫や奈良、岡山、愛媛など10道県で候補地を選定中という。

同日、都内で開催された発表会で仲井嘉浩積水ハウス社長は「分散している地域の観光資源をネットワーク化して地域活性化のプラットフォームとしたい」とコメント。

マリオット・インターナショナル アジア太平洋社長兼マネージングディレクターのクレイグ・スミス氏は「私たちのグローバルネットワークと積水ハウスの建設技術を組み合わせ、成長させたい」と意欲を示した。

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