「原点に戻れた一日」 体操内村 長与で教室

 体操男子個人総合で五輪2連覇中の内村航平選手(リンガーハット、長崎県諫早市出身)が2日、長崎県西彼長与町民体育館で体操教室を開き、子どもたちが憧れのヒーローから体操の楽しさを教わった。
 内村選手が所属するリンガーハット(東京・秋本英樹社長)主催。内村選手の出身地と同社の創業地が同じ長崎という縁から、体操教室を通じた地域貢献ができればと、昨年に続いて2回目の開催となった。
 県内をはじめ、全国から参加の応募があり、午前、午後の部に各60組の親子が抽選で招待された。教室で内村選手はマット運動の側転を「1本の線の上でやっているように」などとアドバイスしながら優しくサポート。跳び箱で失敗しても、回数を重ねてできるようになっていく子どもたちを「チャレンジしようとする気持ちが見えた」と満足そうに褒めた。
 約1年前に体操を始めた長崎市立北陽小4年の松山華子さんは「内村選手に教えてもらえてうれしかった。私もきれいな体操ができるようになりたい」と笑顔を見せた。内村選手も「話している長崎弁が懐かしくて、やっぱりいいなと思った。自分も体操が楽しいと思える一日で、原点に戻れた気がする」と柔和な笑みを浮かべた。
 右足首の故障を抱えながら今秋の世界選手権に臨むなど、けがとの闘いでもあった今季。その苦しい中でも、エースとして東京五輪の団体出場権を確保した。来年1月に30歳となる日本体操界の大黒柱は「世界選手権には出場できて、東京五輪にはつながったけれど、ここから2年もない。どう積み上げていくか課題を得られた」とこの1年を振り返った。

体操教室で笑顔を見せる内村選手=長与町民体育館
子どもたちに側転を教える内村選手=長与町民体育館

© 株式会社長崎新聞社