漆芸に込めた日台交流 横浜で作家が作品展

 日本と台湾の漆芸家による交流展が2日、横浜市神奈川区の「FEIアートミュージアムヨコハマ」で始まった。漆絵や蒔絵(まきえ)など伝統的な作品から現代アートまで29人の計100点を展示し、交流の歩みを伝えている。16日まで。

 漆芸の世界での交流は日本統治時代の大正、昭和初期にさかのぼる。気候が適していたため、漆の栽培が奨励され、日本から渡った芸術家や職人が技術を伝え、現在も影響は生きている。

 展示会は交流史を知ってもらいたいと同ミュージアム代表で造形作家の高宮洋子さんと友人で台中市の漆芸家・張森洋さん(47)が企画。日本の14人と台湾の15人が出展し、初日の2日には台湾から8人が駆け付け、交流を深めた。

 蒔絵で装飾した暴走族のオートバイを出展した葉山町の中島靖高さん(46)は「台湾の作家からどのような影響を受けるのか、楽しみ」と話した。高宮さんは「来秋は韓国も交え、日台韓の3国の作家による交流展も考えている。漆芸の可能性を広げていきたい」と意気込んでいる。

 入場無料。問い合わせは同ミュージアム電話045(411)5031。

オートバイを蒔絵で装飾した作品について台湾の漆芸家に説明する中島さん(右)=横浜市内

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