サンチェスは「非売品」 キャッシュマンGMが正捕手放出を否定

ヤンキースとマーリンズがゲーリー・サンチェスとJ.T.リアルミュートという正捕手同士の交換トレードを模索していたことが報じられているが、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは「我々はサンチェスについてトレードの問い合わせを受けているけれど、彼を売るつもりはない」とサンチェス放出の可能性を否定した。キャッシュマンは「彼は非売品だ」と放出の意思がないことを明言している。

サンチェスは捕手としてはメジャー有数の打撃力(特に長打力)を誇っており、シーズン30本塁打を狙えるレベルの選手である(昨季33本塁打、今季は374打席で18本塁打)。また、肩も非常に強く、スローイングの平均球速はメジャー全体の捕手のなかでもトップレベルである。しかし、今季は打率1割台に終わるなど、打撃面での伸び悩みが目立ち、パスボールが多いなど守備面での不安も解消されていない。ヤンキースが戦力の底上げに向けて捕手のグレードアップを図っても決して不思議ではないが、キャッシュマンはサンチェスのポテンシャルを信じているようだ。

一方のリアルミュートは、今オフの移籍市場におけるトップ捕手である。仮にヤンキースが獲得レースから脱退したとしても、アストロズやドジャースといった強豪チームが獲得に興味を示しており、獲得レースがトーンダウンすることはないだろう。ヤンキースはリアルミュートのトレード交渉の際に有望株を放出することに前向きではなかったようだが、アストロズはチーム内2位・メジャー全体8位の有望株であるフォレスト・ウィットリーの放出には否定的である一方、チーム内1位・メジャー全体5位の有望株であるカイル・タッカーを交換要員に含める意向である。

ただし、MLBネットワークのジョン・ヘイマンによると、アストロズがトレード交渉で優位に立っているというわけではなく、アストロズ、ドジャースだけでなく、リアルミュート獲得に興味を示す他のチームも交えながら、争奪戦が続いていくことになりそうだ。

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