【MLB】カノら主力放出のマリナーズを地元紙はメッタ斬り 「暗黒時代が待っている」

マリナーズのスコット・サービス監督【写真:Getty Images】

正捕手ズニーノ、エース左腕パクストン、カノらを放出したマリナーズ

 マリナーズは今オフ主力を大量放出するファイヤーセールに突入する緊急事態を迎えている。すでに正捕手マイク・ズニーノをレイズへ、エース左腕ジェームス・パクストンをヤンキースへトレード放出。ベテラン二塁手ロビンソン・カノと守護神エドウィン・ディアスをメッツに送る大型トレードに合意したと伝えられている。

 米4大メジャースポーツで最長となる17年間ポストシーズン進出失敗という不名誉な記録を更新したばかりのマリナーズだが、地元紙はファイヤーセールの衝撃に「暗黒時代が待っている」と悲鳴を上げている。

「暗黒時代がマリナーズに待っている。だが、再建は正しい選択だ」と特集したのは地元紙「シアトル・タイムズ」だった。

 ジェリー・ディポトGMが次々に主力を放出するファイヤーセールに突入したマリナーズ。記事では「暗く、荒れ果てた時代が待っている。隠すことなどできない。マリナーズは2019年と20年、最低の球団になるだろう。その後で、我々は戦力整え、再建がどこまで進むか見ることになる。だが、これ以上にお粗末なシーズンを重ねる可能性もある。これは彼らがラッキーだった場合だ」と分析している。

 すでに17シーズンに渡り、プレーオフ進出を逃しているマリナーズだが、来季と2020年シーズンの転落はもはや確定事項と断ずる一方で「すべての状況を鑑みた末に、それでもやはり、マリナーズが進むべき正しい道」とも指摘している。

今季は89勝を挙げ17年ぶりのプレーオフかと思われたが終盤に失速

 パクストン、カノらスターとともに、中継ぎの実力者アレックス・コロメ投手もホワイトソックスにトレードですでに放出。「彼らは最強のパワーヒッター、ネルソン・クルーズを再契約に関する最低限、もしくはゼロの努力で放出し、デナード・スパンも同じだった」と記事では主力の慰留すらなかったと言及している。そして、ジーン・セグラ内野手、マイク・リーク投手、ディー・ゴードン内野手、カイル・シーガー内野手、ミッチ・ハニガー外野手という主軸のさらなる放出も予想している。

 年俸高騰と加齢の進んだ主力を大量放出し、代わりに若手の有望株を獲得すると同時に人件費を下げるファイヤーセール。アストロズやカブスという近年のワールドシリーズ王者が辿った道が、マリナーズの目指す先だと記事では言及しているが、数年後の再建成功については未知数だという。

「言い換えれば、保証など存在しない。すべての試みは危険に満ちている。プレーオフへの枯渇はさらに進み、20年を超えるだろう。それでも他の選択肢よりも勝っているのだ」

 イチロー外野手が来季開幕戦で復帰濃厚なマリナーズ。今季89勝で17年ぶりのプレーオフ進出に迫ったが、終盤の失速で悲願は叶わず。そして、新たな冬の時代が訪れようとしている。(Full-Count編集部)

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