IMSA:ロイック・デュバル擁するコア・オートスポーツ、2019年はニッサンDPiにスイッチ

 11月30日、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)に参戦しているコア・オートスポーツは2019年シーズン、LMP2カーからニッサンDPiへマシンをスイッチすると発表した。

 2018年はオレカのLMP2カー、オレカ07でWSCCの最高峰クラスであるプロトタイプクラスに参戦し、第7戦モスポートパークと第9戦ロード・アメリカで総合優勝を飾ったコア・オートスポーツ。

 ジョナサン・ベネットが率いるチームは当初、2019年にDPiマシンを導入し総合優勝を争うDPiクラスにステップアップすることを目標としていたが、DPiを扱うパートナーに恵まれず。そこでプロトタイプクラスから分離し、プロ・アマクラスとして発足するLMP2クラスに参戦する意向を示していた。

 しかし、2017年からニッサンDPiを走らせていたテキーラ・パトロン・ESMが2018年限りでWSCCから撤退することに伴い、コア・オートスポーツはESMが所有するニッサンDPiを購入。すでに発表していた参戦体制を変更し、当初目指していたDPiクラスへの参戦に道を開いた。

「WSCCがプロトタイプクラスの分割を発表して以来、DPiクラスに入ることが私たちの目標だった」と語るのはコアのモーガン・ブラビーCOOだ。

「2019年シーズンは引き続きLMP2カーを走らせる方向で計画を進めていたが、ニッサンDPiを使ったプログラムを実施できることになった。我々としてはレースで勝つ(総合優勝する)ためにはこの機会を見逃すことができなかったんだ」

 コア・オートスポーツが新たに導入するニッサンDPiはオンローク社製のLMP2カー、リジェJS P217をベースにオンロークとESM、ニッサンが開発したDPiマシンだ。エンジンはニッサンGT-RニスモGT3に搭載される3.8リッターV6ツインターボが採用され、デザインではニッサン車でお馴染みの“Vモーショングリル”をフロントに備えるなど部分的にオリジナルのボディ形状を纏っている。

 また、戦績では過去2シーズンでセブリング12時間、プチ・ル・マンを含む通算4回の総合優勝を飾っており、その勝利数は現在、4車種が存在するDPiマシンの中で“王者”キャデラックDPi-V.Rに次ぐ2位となっている。

■ロイック・デュバルがふたたび助っ人参戦へ

コア・オートスポーツが2019年に導入するニッサンDPi
コア・オートスポーツのドライバー陣は2018年のデイトナ24時間で、プロ・アマチームを対象としたジム・トゥルーマン賞を受賞。ロレックス・デイトナを獲得している

 そんなニッサンDPiを用いて2019年シーズンに臨むコア・オートスポーツは今回、ドライバーラインアップをあわせて発表した。

 チームのレギュラードライバーには2018年シーズンと同じくベネットとコリン・ブラウンのふたりが起用される。また、長距離レースでも今季と同様にル・マンウイナーでポルシェワークスドライバーのロマン・デュマと、同じくル・マン王者でアウディのDTMドライバーであるロイック・デュバルが加わることが決まったという。

 ふたりの助っ人のうち、デュマはデイトナ24時間、セブリング12時間、ワトキンズ・グレン6時間、プチ・ル・マンの4レースからなる“ミシュラン・エンデュランス・チャンピオンシップ”でチームに加わる。一方のデュバルは、来年1月末に開催されるデイトナのみの参戦となる予定だ。

 オーナー兼ドライバーのベネットは「少しスタートが遅れたが、コアとともにDPiプログラムを実行できることになり、感謝するとともにとても興奮している」と語る。

「コリン(・ブラウン)とロマン(・デュマ)、そしてロイック(・デュバル)が2019年もふたたび参加することが決まり、僕はチームがまた成功を収められると自信を持っているんだ」

 最高峰クラス参戦2年目を迎えるコア・オートスポーツは2019年1月26~27日に開催されるデイトナ24時間に備え、1月4月~6日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されるIMSAの公式テスト“ロア・ビフォア・ロレックス24”でニッサンDPiでの初テストを実施する予定だ。

2018年シーズン2勝を挙げたコリン・ブラウン(右)とジョナサン・ベネット(左)

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