雪山装備なしでもOK!?世界でも珍しい『アイスモンスター』を見に行こう! 「雪山に登ってみたいけど、自分で登れるか不安」「装備を揃えるのも大変そう」そんな理由で雪山の絶景を諦めていませんか?今回は、アイゼンやピッケルなどの特別な雪山装備がなくても楽しめて、限られた一部の地域でしか見ることができない珍しい絶景スポットを紹介します。冬のシーズンは山に行かないなんて人も、これをきっかけに雪山の景色を楽しんでみてください。

雪山の景色は見たいけど、登るのはちょっと・・・。

「一面に広がる白銀の世界」などの、雪山でしか見られない景色には興味がある。でも、登るにはアイゼンとかピッケルとかいろいろ揃えないといけないし、そもそも自分のレベルで登れるかも不安。

そんな理由で、雪山の景色を諦めていませんか?

雪山装備なしでも見られる絶景も

もちろん冬の山なので防寒対策は必須です。ですが、ロープウェーなどを利用することでアイゼンやピッケルなどの雪山装備がなくても、雪山の絶景を楽しめる場所があるんです。

しかもその景色は、世界でも一部のエリアでしか見られない珍しいものなんです。

巨大な雪の怪物!『アイスモンスター』

巨大な白い雪の怪物。この怪物がなにかわかりますか?
実はコレ、限られた気象条件のもとでしか見ることのできない、世界的にも貴重な自然現象なんです。

怪物の正体は巨大な樹氷

この巨大な雪の怪物の正体は「樹氷」と呼ばれるもの。おおよそ氷点下5℃以下に冷却された水蒸気や、過冷却の水滴(0℃でも凍らない水)が風に乗って樹木に吹きつけられて凍ったものです。

その中でも、東北の奥羽山脈の一部の山域(八甲田山、八幡平、蔵王、吾妻山)などに見られる巨大な樹氷が『アイスモンスター(スノーモンスター)』と呼ばれています。

どうして一部の地域だけ大きくなるの?

樹氷がアイスモンスターと呼ばれるくらい巨大になるには、以下のような条件を満たしていることが必要です。

①常に気温が低く、一定方向から強風で雪が吹きつけられる
②氷や雪が付きやすいアオモリトドマツなどの、常緑針葉樹が自生している
③アオモリトドマツが自生できないほど、雪が降りすぎない

このような条件が揃っているため、東北地方の樹氷は他の地域よりも大きくなるのです。

アイスモンスターが見られるエリアはココ!

ここでは、アイスモンスター観賞におすすめのエリアを紹介。今回は自分で雪山を登らなくても、ロープウェーや雪上車などで樹氷群を観賞できる場所をピックアップしました。

①宮城県『すみかわスノーパーク』

「アイスモンスターを見るなら蔵王」というくらい有名なスポット。
ワイルドモンスター号という暖房完備の雪上車に乗って、雪の中を進みます。その後、散策エリアをガイド付きで楽しむことができるので、初めてでも安心です。

ワイルドモンスター号に乗って、樹氷原までは約45分。その後、10分間樹氷原を散策します。

【雪上車ワイルドモンスター号運行情報】
■期間:2018年12月15日~2019年3月17日
■時間:(出発)11時00分~(戻り)13時00分、(出発)13時30分~(戻り)15時30分
※完全予約制なので、気になる方は必ずホームページから予約をしていきましょう。
宮城蔵王すみかわスノーパーク
【アクセス】
■バス(樹氷号):JR仙台駅→すみかわスノーパーク(約110分)※事前予約が必要
すみかわスノーパーク アクセス情報

②山形県『蔵王ロープウェイ』

宮城蔵王と同じくらい人気なのが、山形の「蔵王ロープウェイ」。ロープウェーに乗ってアイスモンスターを見に行くことが可能です。

ライトアップ期間中は「ナイトクルーザー号(事前予約要)」に乗って樹氷を楽しむことができ、昼と夜の2つのアイスモンスター表情を楽しめます。

ロープウェー営業時間は、予約なしでも樹氷を楽しむことができるので、気軽に楽しみたい人におすすめ。

蔵王山麓駅から樹氷高原駅まで、ロープウェーで約7分。そこからロープウェーを乗り継いで、地蔵山頂駅まで約10分です。

【ロープウェー運行状況】
■時間:8時45分~17時00分(地蔵山頂駅は16時45分まで)
【ナイトクルーザー号運行状況】
■期間:2018年12月22日~2019年3月3日
■時間:17時00分~21時00分(上りは最終19時50分まで)
※ロープウェーもナイトクルーザーも、天候により運転を休止することもあります。
蔵王ロープウェイ(樹氷ライトアップに関してはこちら)【アクセス】
■直通バス:JR仙台駅→蔵王ロープウェイ(約77分)
■バス:JR山形駅→蔵王ロープウェイ(約45分)
蔵王ロープウェイ アクセス情報

③青森県『八甲田ロープウェー』

アイスモンスターというと蔵王が有名ですが、実はそれに負けないくらいの規模の樹氷が、青森県八甲田ロープウェーでも見られるんです。

八甲田国際スキー場では、アイスモンスターの間をすり抜けて滑走することもできるので、スキーやスノーボードを楽しむ人には特におすすめ。

近くにある酸ヶ湯温泉も人気の観光スポットなので、樹氷と合わせて訪れる人も多いようです。

ロープウェー山麓駅から山頂駅までは約10分。15分~20分の運転間隔で運行されています。

【ロープウェー運行状況】
■時間:9時00分~15時40分(11月中旬~2月)、9時00分~16時20分(3月~11月上旬)
※強風の場合は、運行が中止になるので必ず事前に情報を確認しましょう。
八甲田ロープウェー【アクセス】
■バス:JR青森駅→八甲田ロープウェー(約60分)
八甲田ロープウェー アクセス情報

④秋田県『森吉山ゴンドラ』

秋田県の森吉山の樹氷。ゴンドラで山頂まで行けば1周約30分ほどのコースを散策できます。樹氷観察コースは、雪踏みして整えられているため長靴などで歩行可能。また、山頂駅付近でスノーシューやかんじきの無料レンタルも行われています。

2月と3月初旬の週末には「夜の樹氷観賞会」が予約制で行われているので、運が良ければ星空とモンスターのコラボレーションも見られるかもしれません。

山麓駅から山頂駅まで、ゴンドラで約20分です。

【ゴンドラ運行状況】
■時間:9時00分~16時00分(最終時間:上り15時00分、下り15時30分)
※強風の場合は運行が中止になるので、必ず事前に情報を確認しましょう。
森吉山 阿仁ゴンドラ
【アクセス】
■電車・タクシー:秋田新幹線 角館駅→秋田内陸縦貫鉄道 阿仁合駅(1時間20分)→森吉山周遊タクシー 阿仁スキー場(25分)
※森吉山周遊タクシーを利用の際は、30分前までに予約が必要になります。予約先:阿仁タクシー(0186-82-3115)
森吉山 阿仁スキー場アクセス情報

天候が悪くても前向きに

自然が相手なので、もちろん天候に恵まれない時も。天候が悪い時は、樹氷の『モンスター感』が増すので、そこを楽しみましょう。
ただし、風や雪が激しくかなり寒くなるので、暖かいウェア選び防寒対策は晴れている時よりも慎重に。

『アイスモンスター』をみに、雪山に行こう!

アイスモンスターの見頃は1月下旬から2月下旬頃まで。3月になり、暖かくなってくると溶け始めるのでシーズンを逃さないように注意しましょう。

雪山登山の装備がいらないとはいえ、紹介した場所は雪山です。寒いことに変わりありませんので、体が冷えないようにしっかりと暖かい格好をして、特別な景色を楽しんでみてください。

© 株式会社スペースキー