今季のベスト&ワースト助っ人は誰? セパ両ワーストには高額年俸打者並ぶ

ロッテ・ボルシンガー(左)とDeNA・ソト【写真:荒川祐史】

セ・リーグでは中南米出身選手が大活躍

 ソフトバンクが2年連続の日本一に輝き、幕を閉じた2018年のプロ野球。各球団の秋季キャンプも終わり、球界はすっかりシーズンオフとなった。各球団が来季に向けた戦力編成を進め、入退団の情報や噂が球界を飛び交っている。

 各球団の助っ人についても、徐々に動きが出始めている。セ・リーグ王者の広島ではエルドレッド、ジャクソン、カンポス、巨人ではカミネロ、マギーの退団が決定。パ・リーグでも、日本ハムのアルシア、ロッテのオルモス、シェッパーズ、ドミンゲス、楽天のアマダー、ペゲーロ、ディクソンらが、来季は新天地に戦いの場を求める。その一方で、広島はカイル・レグナルト投手、巨人はクリスチャン・ビヤエヌバ内野手、ロッテはケニス・バルガス内野手らなど、新助っ人の入団が続々を発表されている。

 今季もNPBでは期待以上の活躍をした助っ人、期待には添えなかった助っ人と、様々だった。彼らの成績が直接成績に反映されたチームもあれば、影響が少なかったチームもあるが、ここでは当初の期待、そして年俸によるコストパフォーマンスを考慮した上で、今季のセパ両リーグのベスト助っ人、ワースト助っ人を独自に選定してみたい。(金額は全て推定)

【セ・リーグ】
○ベスト
DeNA ネフタリ・ソト(3500万円)
107試合416打数129安打41本塁打95打点 打率.310

○ワースト
阪神 ウィリン・ロサリオ(3億4000万円)
75試合281打数68安打8本塁打40打点 打率.242

 セ・リーグは今季、助っ人選手の活躍が目立った。その中でも働きが際立ったのは、リーグ3連覇を果たした広島のヘロニモ・フランスア投手、中日のオネルキ・ガルシア投手、ダヤン・ビシエド内野手、そしてDeNAのネフタリ・ソト内野手だろう。

 フランスアはわずか年俸880万円だったにも関わらず、シーズン途中からセットアッパーとして不可欠な存在に。47試合で防御率1.66と圧巻の成績を残し、広島の3連覇に大きく貢献した。中日のガルシアは今季チームトップの13勝をマークし、ビシエドは首位打者に輝いた。DeNAのソトはシーズン序盤を2軍で過ごしたにもかかわらず、41本塁打を放って初タイトルを獲得した。この4選手の貢献度は甲乙つけがたいが、年俸4000万円、107試合で41本塁打を放ったソトをベスト助っ人に推したい。

 一方、年俸1億円以上の高額契約ながら活躍できなかった選手もいた。阪神では年俸3億4000万円と鳴り物入りで入団したウィリン・ロサリオ内野手がわずか8本塁打に終わり、同1億9000万円のマルコス・マテオ投手も不振。中日のディロン・ジー投手は血行障害のため、開幕後すぐに離脱した。巨人ではアルキメデス・カミネロ投手(同2億2000万円)が故障などで奮わず、中日から移籍したアレックス・ゲレーロ外野手(同4億円)は15本塁打に終わった。

 この中でセ・リーグのワースト助っ人は、やはり最下位に終わった阪神のロサリオだろうか。年俸3億4000万円という期待の大きさに対して、75試合で打率.242、8本塁打、40打点は、あまりにも物足りない数字だった。

パ・リーグではロッテ新外国人ボルシンガーが大活躍

【パ・リーグ】
○ベスト
ロッテ マイク・ボルシンガー(9000万円)
20試合13勝2敗0セーブ0ホールド 117.2回 防御率3.06

○ワースト
西武 エルネスト・メヒア(5億円)
82試合212打数45安打9本塁打21打点 打率.212

 今季のパ・リーグは、特に助っ人打者の活躍が少ない1年だった。規定打席に到達したのは、ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手、オリックスのステフェン・ロメロ外野手、日本ハムのブランドン・レアード内野手の3人だけ。しかも、規定打席到達者29打者の中で、打率の25位、26位、27位に3人が並んでいる。

 その中で、今季最も活躍した助っ人として名前を挙げるならば、ロッテのマイク・ボルシンガー投手だろう。シーズン終盤に故障で離脱してしまったものの、11戦11勝という驚異の連勝記録を含む13勝2敗の好成績で、最高勝率のタイトルも獲得した。規定投球回に到達した日本ハムのニック・マルティネス投手、楽天のフランク・ハーマン投手も活躍したが、9000万円という年俸の安さも加味してボルシンガーを選んだ。

 パ・リーグでは不振に喘いだ助っ人が多かった。ソフトバンクのデスパイネは29本塁打を放ったが、数字は前年から下降。オリックスのロメロも大きく数字を落とし、ロッテのエドガー・オルモス投手やマット・ドミンゲス内野手のように期待に添えなかった新加入選手もいた。

 そういった面々もいるが、ワースト助っ人には西武のエルネスト・メヒア内野手を挙げたい。2014年の本塁打王は、2016年にも35本塁打を放ったが、昨季から成績が下落の一途。今季は82試合に出場して、来日後最少となる9本塁打、打率も.212に終わった。成績自体はこれを下回る助っ人もいるが、何と言ってもメヒアの年俸は球界トップクラスの5億円。コストパフォーマンスを考えると、ワースト助っ人と言って仕方のない成績だったのではないだろうか。

 来季に向けて各球団はどんな助っ人陣容を揃えるのか、注目だ。(Full-Count編集部)

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