農業就労外国人 受け入れ 長崎県主導で派遣事業体

 長崎県は4日、農業に就労する外国人を受け入れるため来年1、2月をめどに、県出資法人や人材派遣会社などでつくる「農業サービス事業体」を県主導で設立する方針を明らかにした。外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法改正案が成立し来年4月に施行された場合、同事業体が外国人を派遣社員として雇い、5月から農業現場に送り出す予定。対象外国人を2021年度末までに段階的に300人まで増やす考え。
 定例県議会一般質問で、小林克敏議員(自民・県民会議)に、中村功農林部長が答えた。
 県農業経営課によると、現状では外国人が県内で農業に就労できる例は技能実習生に限られる。しかし同法改正案が成立、施行されると、農業専門試験と日本語試験に合格した外国人や、技能実習を終えた外国人は最長5年就労できる。また、県が2016年に国に提案した国家戦略特区の区域指定を受ければ最長3年就労できる。農業サービス事業体の設立は法案にも特区にも対応できる枠組み。
 県は主に日本で農業経験がある技能実習経験者を即戦力で雇いたい考え。17年から協議を重ねるベトナム国立農業大に経験者を集めてもらうルートを軸に、来年5月以降「半年に50人程度」のペースで増やす見込み。県が17年11月に県内の農業者や農業法人に「外国人を周年雇用するなら何人必要か」を調査したところ、合計で300人程度のニーズがあったという。

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