佐世保人物事典 発刊へ 2020年の完成を目指す

 郷土史を研究している佐世保史談会(中島眞澄会長)は、先人の活躍をまとめた「佐世保人物事典」(仮称)を発刊する。2020年の完成を目指し、編集委員会で資料収集などの準備を進めている。
 佐世保市宮地町の市立図書館で11月24日に開いた創立60周年記念報告会・講演会で発表した。
 史談会が編さんに協力し02年度に刊行された「佐世保市史」に人物編がなかったことから、創立60周年記念事業として計画。取り上げるのは▽市内で生まれ地元で功績を残した人▽市出身で県外、海外で活躍した人▽市外から移入し名を成した人▽市ゆかりの人-など。隣接の北松佐々町の人物も含める。すでに約450人を選んだという。
 中島会長は報告会で、史談会が1958年10月に親和銀行京町支店で発足した社会情勢を解説し「誕生の背景には当時の経済界の後押しがあったことが特筆される」と指摘。その後の歩みを振り返り「今後の課題は人材の育成と研究内容の充実」と述べた。
 人物事典編集委員の酒見莞爾会員は、掲載候補者として、明治時代に旧制県立佐世保中、旧佐世保市庁舎などを設計した山形県新庄市出身の旧海軍省技師、駒杵勤治や、駒杵と同郷で佐世保中入学後に講道館へ入門し柔道の国際化に尽力した柔道家、伊藤四男を紹介した。
 講演会では下川達彌県考古学会長が「ながさきの茶陶」と題して話し、史談会員ら約100人が聞き入った。

佐世保人物事典発刊計画について話す中島眞澄会長=佐世保市立図書館

© 株式会社長崎新聞社