固定資産税の超過課税 継続条例改正案を可決 箱根町議会

 箱根町議会は12月定例会初日の4日、町の財源不足を埋めるため2016年度から3年間の時限措置として税率を引き上げている固定資産税について、税率引き上げを継続するための町税条例改正案を、賛成多数で可決した。今回の条例改正案には期限が設けられておらず、19年度以降も当分の間、超過課税が実施されることになる。

 条例改正案は町が町議会9月定例会に提出。行財政改革調査特別委員会に付託されて継続審議となり、特別委では賛成多数で原案通り可決された。

 討論では4人が登壇し、反対する町議は「消費増税も予定されており、町民にとって二重の負担増となる。定住化対策への影響も懸念される」などと主張。一方、賛成派からは「社会保障関係費は増大しており、老朽化している公共施設やインフラの維持改修には大きな費用が必要」「収入と支出のバランスは今後さらに悪化する。固定資産税の超過課税に代わる新たな税収などを検討したが、町民に負担をかけるのは同じ」との声が上がった。

 採決では、議長を除く13人のうち12人が賛成した。

 固定資産税の超過課税を巡っては、地価下落や人口減少などに伴う財源不足分を賄うため、町は16年4月から税率を標準値の1・4%から1・58%に引き上げ。今年6月の町議会本会議で山口昇士町長が、19年度以降も継続する意向を示していた。

 箱根温泉旅館ホテル協同組合の担当者は、超過課税の継続について「ホテルや旅館をはじめ納税者には大きな負担となる」と反対の立場を示しつつも「行政には町の基幹産業である観光により一層力を入れてもらいたい」と理解を示した。

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