ヒロセHD子会社の成幸利根、地中障害物撤去で新工法 地中連続壁施工機を活用、工期5分の1以下に

 ヒロセホールディングスは4日、完全子会社で建設基礎工事を行う成幸利根が「ロストルS工法」を開発したと発表した。SMW機(柱列式地中連続壁施工機)で地中障害物を撤去できる工法で工期を従来比約5分の1以下に削減するなどコストを抑制できる。

 従来、地中連続壁施工時に発生した障害物はケーシングなどを併用して削孔する「ロックオーガー工法」によって破砕する方法が主流だったが、SMW機とは別の施工機械であるため、破砕後にマシンをSMW機に交換する必要があった。

 そこで、足元では全周回転するケーシングの先端に取り付けたカッタービットで削孔を行う「全周回転式オールケーシング工法」や高トルクのロータリーヘッドと押し込み力の大きな削孔装置を備えた油圧式万能型大口径掘削機を用いた「BG工法」(多機能大口径削孔工法)による撤去が主流となっている。これはSMW機をそのまま使用できるが、リーダーと呼ばれる主軸の部分を倒す必要があった。

 今回開発した工法はSMW機のリーダーを倒さずにフロントアタッチメントを組み替えることで「BG工法」と同様に障害物の完全撤去を実現できる。搬入組立作業が不要で狭隘現場における入替作業も不要となるため、工期と工事費用を削減できる。同社では今後、積極的な普及拡大を図っていく方針。

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