クイーンズ区サニーサイドで洋裁教室「ソー・イージー・ニューヨーク」が開かれている。デザイナーやパタンナーとしてファッション業界で長い経験を積んできた中浦都志子さんが2009年に始めた。
この日の参加者はほとんどミシンに触ったことのない人たちばかりで、糸の掛け方や縫い方、ボタン装置の説明など、ミシンの使い方の基礎を実演した後、「ファスナー付きポーチ」の制作に入った。「ファスナー付けが苦手だという人は多いけれど、基本の『直線縫い』が真っすぐ縫えればきれいにできます」と言う中浦さんは、「楽しく簡単にできるやり方」を常に考慮しているという。
まずは布選び。中浦さんが用意したおしゃれなデザインの布地を合わせながら、表地と裏地を選ぶ。これも洋裁の大きな楽しみだ。
ファスナーにまち針を付けて、ミシンで縫う作業に入ると、「やっぱりファスナーって難しい」と生徒たちは苦戦気味。ただ、中浦さんが一人一人をヘルプしてくれるので心強い。
アイロンがけをして表地と裏地を縫う作業では、「ポーチの周辺を縫う前に、ファスナーを開けておくことがすごく重要です」とポイントを説明。「こういったコツを知っていると、作業の効率や仕上がりが全く違ってきます」との言葉に、参加者も大きくうなずく。「きれいに真っすぐ縫うために、表地と裏地は上下をそろえて、必ずクリップで留めてください」といった助言や注意を守りながら、最後に表にひっくり返すとポーチが完成。「かわいい!」「うまくできた」と生徒たちは大喜びだ。
初参加の寺下あゆみさんは、「前から作りたかったポーチが、こんなに簡単に作れたのでびっくりしました。先生の教え方が分かりやすくて楽しかったです。子供の洋服やバッグも作りたいです」とワクワク。
クラス歴2年8カ月の西川絵里菜さんは、「ミシンを使うのは中学校以来という初心者でしたが、今ではワンピースやジャケットも手作りしています。楽しいだけでなく、技術が身に付いたことが一番よかったです」と満面の笑顔。
「今着ているジャンパースカートも手作りです。ちょっとファスナーがずれていますが」と笑うのは、ニュージャージー州から参加の佐名田貴子さんで、「ほぼ初心者レベルで参加して2年になります。自宅で自分で作るのは難しいですが、困ったら先生に相談できるので心強いです」と話す。
福田裕子さんは、「最初は出来上がりのイメージが分からなくて難しかったですが、今は立体的に考えられるようになりました。自分のジャストサイズのものが自分で作れるのが、洋裁のすごいところ。先生は面倒なところをうまくショートカットして、簡単にきれいにできるやり方やコツを教えてくれるんです」と目を輝かせる。
中浦さんは、「洋裁は趣味と実益を兼ねた有意義なものです。自分は不器用だと決めつけず、ぜひ体感してほしいです」と話した。
Sew Easy New York
午前10時〜正午(午前クラス)と、午後1〜3時(午後クラス)にサニーサイドの自宅スタジオで毎日開催。初級コースから誰でも参加可。体験レッスンもあり。予約制。【問い合わせ】info@seweasyny.com/www.seweasyny.com