「働くとは」考えて 企業人が中学校で特別授業 川崎

 第一線で活躍する地域の企業人から、働くことの意義や大切さを学ぶ特別授業が5日、川崎市川崎区の市立田島中学校で行われた。同区内などで事業を展開する16の企業・団体の担当者の話に2年生117人が耳を傾け、それぞれの未来に思いをはせた。

 日本触媒川崎製造所の加藤充男さん(57)は、水分に触れるとジェル状になる粉「サップ」を製造していることを説明。持参した紙おむつに水を垂らして吸収させ、漏れを防ぐ仕組みを紹介した。働く意味については、「人の役に立つこと、ほめられること、必要とされること」の3点を挙げた。「仕事は人と一緒にならないとできない。コミュニケーションが大切」と優しく語りかけた。

 授業後には各班の代表者が「勉強が苦手だけど、社会のために頑張りたい」「将来の職場選びに役立てたい」などと感想を発表。教員を志す竹田まきさん(14)は「化学の力はすごいことが分かったし、働く目的は人それぞれで答えがないことが実感できた。学んだことをこれからにつなげたい」と刺激を受けた様子で語った。

 同授業は、市民と企業の交流の場づくりに取り組む川崎区企業市民交流事業推進委員会の主催。2014年度から区内の中学校で年3回程度開いている。

おむつを使った実験に興味を抱く生徒たち=川崎市川崎区の市立田島中学校

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