ステンレス鋼材加工、ステンレススクラップの恒成(本社・燕市、社長・澁木収一氏)は10月中旬、燕市小関字江東1470―1に緑町加工センターを開設した。最新のファイバーレーザ、シャーリングを新設し、ウォータージェット切断機を小関工場から移設した。2人のスタッフが現場兼事務として常駐する。
既存の倉庫建屋を取得し、利便性を考慮し搬入口を新たに設けた。工場棟の床面積は約830平方メートル。
需要家に対するステンレス加工の付加価値向上に加え、一部内製化を図ることで特約店、コイルセンターとしての機能に磨きをかける。ステンレス関連業者が集積する地で差別化を図るべく新設備の導入に踏み切った。
導入したファイバーレーザはアマダ製ENSIS3015AJ。発振器の出力は3キロワット。電気料はCO2レーザと比較し、約4分の1に削減できる。
加工板厚はステンレスで12ミリメートルまで。定盤のサイズは5×10板(1524×3028ミリメートル)。10段のパレットチェンジャーを併設して省人化を図る。
シャーリングはアマダ製DCT―1265。切断板厚はステンレスが4ミリメートル、普通鋼が55ミリメートルまで。逆板押さえやエアブローによる切断後の落下傷を防止する。
白井和久工場長は「これまでシャーリングはほぼ外注に頼んでいたが、板金加工などの需要家から仕事が見込めるとの話があり、一部を内製化する格好で導入した」と語る。
付随して表面保護のためのビニール貼り機を導入。レーザとシャーリングに対応する。この部分も外注から内製化を図った。
担当者は「当社は半製品ではなく〝製品〟を納めることが目標だ。お客様に付加価値を付けて買っていただく」と導入の背景と語る。
ウォータージェットカッタはチタンなどの厚物を中心に加工。3年前に導入し、軌道に乗っている。
板厚と作業性を踏まえ、ウォータージェットカッタとファイバーレーザをすみ分ける。
緑町加工センターの月間加工能力はファイバーレーザ40トン、ウォータージェットカッタ20トンを目指す。燕地区はもともと域内、域外の加工ニーズを捉えており、首都圏や関西地区で今後も五輪、万博関連など建設、設備投資が見込めることから、新たな事業の柱にしたい考えだ。