金属行人(12月7日付)

 テレビ放送で看板プログラムが構成する夜の時間帯「プライムタイム」のトークバラエティー番組で、一般缶の一翼を担う菓子缶の特集が組まれた。ご覧になった方もいらっしゃるだろう▼コーナーのタイトルは「捨てたら損する!お菓子箱の世界」。「デザイン性と丈夫さから再利用しやすいと大人気」とスチール容器ならではの特徴を凝縮した、アイキャッチな言葉とともに色とりどりの菓子缶がずらり。出演者が紹介する利用術はすぐに始めやすいものばかりで、限られた時間の中にあっても身近さがひしひし伝わる構成だった▼大阪に本拠を置く製缶メーカーの菓子缶販売部門が東京に今年6月出店したアンテナショップも登場。放送翌日には、朝のオープン前からお菓子が詰まったスタイリッシュな缶を求めて長蛇の列ができ、一連の様子が来店者のSNSに投稿されていた▼これまでの週2回から臨時で営業日を設けてなお完売が続く盛況ぶりだ。休む間もなく対応するスタッフにとってもうれしい悲鳴だろう。少子高齢化や消費者の志向変化といった課題が解決したわけではないかもしれないが、改めて菓子缶の潜在需要を知る大きな機会になった業界関係者も少なくないに違いない。

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