教えてビックリマン!シーバスが釣れるポイントの選び方は?【ベイト&シーズン編】 シーバス釣りは上級者と初心者では大きく釣果に差が出る魚です。その理由はもちろん多くの事柄が挙げられますが、最も釣果に差が出る事由はポイント選択でしょう。上級者は高い精度でシーバスの濃いエリアや大型シーバスが潜むエリアを絞り込みます。脱初心者の第一歩。精度の高いシーバスポイントの選択術を身に付けましょう!

シーバスはポイント選定が超重要

シーバス(スズキ)はソルトルアーフィッシングにおける説明不要の超人気ターゲット。

ルアー選択やアプローチにおけるゲーム性の高さと、強烈な引きに魅せられるアングラーは後を絶ちません。

それでいて東北から九州まで広い範囲に生息し、身近に出会えるという点も人気の理由でしょう。

ただ、手軽に釣行できる反面、初心者には釣果を出すことが難しい魚でもあります。

同じ日に釣行しても、釣る人は沢山釣る、釣れない人は釣れない。そんな不思議な魚です。

今回の連載では、シーバスを今よりもっと釣る事を目標に初心者から脱却するためのステップアップコラムをお送りします。

シーバス初心者脱却案内人

高田雄介(25)。ライターネーム:ビックリマン高田。ChillTripという怪魚釣りツアーを提供する旅行会社の社員でいわばプロガイド。

海外遠征のアテンド、訪日外国人への日本釣りガイドも担当、Transcendenceでロッドをはじめとする釣具の開発も行うプロアングラーです。

埼玉県在住で春秋のハイシーズンにはほぼ毎日荒川水系へ散歩気分でシーバス釣りに出かけています。純淡水の上流シーバス釣りが2018年のマイブーム。

ポイントが全てといっても過言ではない

冒頭でも触れましたが、シーバス釣りは上級者と初心者では大きく釣果に差が出る魚です。

シーバスは淡水のブラックバスなどと比べて、魚が抜ける(居なくなる)時にはハッキリと居なくなります。

当たり前のことですが、魚がいないポイントで魚は釣れませんし、魚影が薄いポイントでは釣る難易度は飛躍的に上がります。

同じポイントでも異なる

例えば同じ河川で釣りをしていても、数メートル地点が変わるだけで密度も大きく変わるのがシーバスです。

その時に最も魚影が濃い、もしくは大きいサイズの群れが入っているポイントを見つけられるのが上級者といえるでしょう。

今回はポイントを正確に絞り込んでいくための順序を3ステップ+実践編に分けて紹介します。

狙うべきベイトで大まかなポイントを決める

ある一定の条件を除いて、ポイントを探す指標となるのがベイトフィッシュです。

基本的にシーバスはベイトを追って動き回る魚です。ベイトが溜まる場所、流れてくる場所を探すことがポイントを探すことに直結するでしょう。

ベイトを探すためにはシーズン、潮、風、流れ、水温など多くの要素を読み取らなくてはいけません。

ベイトの情報収集

まずはじめるべきステップ1はどんなベイトを捕食しているシーバスを自分が狙うかを明確にすることです。

バチなのかイワシなのかイナッコなのかを定めます。それと加えてSNSなどで各ベイトの入りを調べます。

シーバスの釣果情報などもちろんのこと、イワシなどのベイトであればサビキ釣りなどの釣果も確認します。

この作業でベイトが居る場所=大まかなエリアとしてポイントを絞り込んでいきます。

シーズンからポイントを絞り込もう!

ステップ1で狙うべきベイトを絞り込んだなら、次に考えるべきはシーズナルパターンの考慮です。

大前提として、季節によってベイトの動きは変わります。

同じイワシを捕食するシーバスを狙う場合でも、夏なら港湾のディープだけど、秋なら大河川のシャローがいい……など、季節により狙いどころが変わるという意味ですね。

季節の進行は地域によってズレもあるため、ここでは東京を基準として考えていきます。

春(2~5月)

シーバス釣りにおいての春は産卵後に河川や沿岸にシーバスが帰ってくる頃を目安とします。

春は大きく分けて2つのパターンとなるため、どちらにも対応できる準備をしておきましょう。

■バチ抜け

スポーン後の2月~3月から東京湾の春がはじまります。

この時期は最も数釣りが容易なバチパターンが本命。春はバチ抜けシーバスを追うことがシーバスを簡単に釣る近道でしょう。

バチパターンは東京湾奥であれば、どこでも成立します。川、港湾部、運河などをチェックしましょう。

選ぶポイントは流れが澱む場所、水路や川の合流点などが良いでしょう。

川の上流では2月くらいからバチが抜けますが、遡上するシーバスの個体数が少ないため、春初期は個体数の多い河口から港湾部での釣りがおすすめです。

3月になると河川の中流でもバチパターンが最盛期を迎えます。

■ハクパターン

また、時を同じくしてシーズンを迎えるのがボラの稚魚であるハクを追うパターンです。2月~3月頃からはじまるのですが、時としてバチパターンを凌駕する爆発を味わえることもあります。

ハクは港湾部の流れの反転流、風が吹きつける場所、大河川のシャローや、流入河川などに入っていきます。

バチよりは行動が読みにくいので、流れや風などから溜まる場所を推測し、多くの場所を見て回りながらハクが居る場所を追っていくことが重要です。

その他には稚鮎やアミがベイトになるケースも多くみられます。いずれにしてもベイトが小さいので、風や流れでベイトがどこに動くのかを予想することが春のポイント探しのコツといえます。

夏(6月~8月)

6月頃になると東京湾は夏シーズンを迎えます。この頃になるとベイトは7~9センチまで成長してきます。

6月初夏は河川に成長したイナッコや稚鮎が入ります。狙うべきポイントとしては河川の上流部と中流部です。

■上流~中流部

上流部では堰下や浅いシャローエリアから続くブレイクなどで遡上したベイトが流されてシーバスに捕食されています。

中流部は狙いどころが沢山ありますがまず狙いたいのは水門でしょう。

強い流れから身を隠すために水門にイナッコなどのベイトが入ります。また流入河川と本流の接続点も狙い目です。

遡上してきたイナッコはもちろんのこと、淡水魚のオイカワやハヤなどもベイトとなることもあります。

■河口・港湾部

河口や港湾部ではカタクチイワシが入ってきます。イワシはシーバスの大好物です。

ただしこの時期に河口や港湾を攻めるならば。朝から夕方にかけての時間帯が良いでしょう。次回解説する潮周りに加えて、夜光虫が発生してしまうからです。

■水温は?

水温について、初夏は問題ありませんが、7月、8月猛暑がやってくるにつれて浅くて流れのないエリアからシーバスやベイトは姿を消します。

水が少しでも冷たいエリア、流れのある上流や深場を狙える沖堤防などのポイントを選びましょう。

秋(9月~11月)

シーバスのハイシーズンです。河川も港湾も干潟もいずれの場所にもベイトが入ってきます。

ベイトのサイズも上がっており10~15センチのイワシや落ち鮎、イナッコを主流とし、晩秋には25センチほどのコノシロもベイトになります。

9センチほどのサッパが入ることも多いです。これらのベイトは毎日のように付き場が変わるので情報収集が重要です。

ポイントとしては明暗や水門など一般的なシーバスポイントはもちろんのこと、大場所のブレイクが絡むポイントを選択すれば大型が狙えるでしょう。

冬(12月~1月)

シーバスのスポーニングシーズン。ほとんどのシーバスは産卵のために深場に落ちます。

産卵場所の深場に近い磯場や防波堤などにシーバスが入るというのが通説です。そのような場所では、トウゴロウイワシやヒイラギが入ってるポイントを選択するのが条件といえるでしょう。

また湾奥と呼ばれる河川や港湾部では、産卵に落ちるのが遅い個体も存在します。

12月上旬まで居残ったシーバスや、1月上旬だとはやく産卵に入ったシーバスが沿岸に戻ってきたりもするので、シーバスを狙うことが出来ます。

12月上旬には大型化したハゼをボトムで捕食していたり、排水周りにはイナッコが溜まっていたり、最盛期ほどではないですが12月末からボトムでのバチ抜けが始まる場所も。

そういったエリアを選択することが釣果に繋がります。冬もベイトが居る場所にシーバスが居るという基本は変わりません。

ポイント選択はシーバスゲームの醍醐味

冒頭でも触れましたがシーバス釣りで釣果をわける最も大きな要素がポイント選択です。

釣れるポイントは流動的で、「昨日よかったポイントが今日は全く釣れない」ということも珍しくありません。ベイトの移動、水温の変化、潮回りの移行など様々な要素が絡み合っています。

予測することはできても完璧に読むことが出来ないのがシーバス釣りにおいての難しさです。

また地域が変わればベイトの種類、干満の差やシーズナルパターンも変わってくるので、遠征先でのポイント選択はさらに難しいでしょう。

しかし言い換えればそれがシーバスゲームの醍醐味のひとつ。あらゆる条件で予測の精度を上げていくことが上級者への第一歩ですよ。

次回予告【潮回り&ゲームプラン】

次回の連載では、ポイント選び第二弾として潮回り&実釣におけるゲームプランに見る“ポイントの選び方”についてお届けします。

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