当地で不動産を購入するならば、住宅ローン（モーゲージ）の知識は欠かせない。そこで、シティバンクの牛島さんに質問した。
Q 住宅ローンを借りる条件と特徴は？
A 米国居住者（米国市民権保持者、永住権保持者、就労ビザで一定期間以上米国内に滞在している人）の場合は、米国内で収入を得ていること、クレジットヒストリーがあることなどが必要条件です。また、担保がない場合、個人で銀行から大きな額を借りることは難しいですが、住宅購入の場合は、初めての物件購入でも、その物件が担保とする、「モーゲージ」を組むことができるのが特徴です。
Q モーゲージの種類と金利の動向は？
A 「固定型」と「ARM（Adjustable-Rate Mortgage）型」と呼ばれる変動型の２種類あります。「固定型」には、10年、15年、20年、30年などの種類があり、固定された期間内に固定された金利で返済します。一方、「ARM型」は全て30年ローンで、10／１ ARM、５／１ ARMなどと表記されます。例えば、「10／１ ARM」は、最初の10年間は固定金利で、その後は１年ごとに金利が見直される、ということを表しています。ちなみに現在、金利は上昇傾向にあります。
Q モーゲージを組む手順を教えてください。
A モーゲージを組むプロセスは次の通りです。
①その人の資産、借金、収入などの経済状況やビザのステータスなどから、その人がいくらお金を借りることができるかを書いた「プレアプルーバルレター」を銀行から出してもらう②不動産エージェントに相談し購入したい物件を見つける③物件が見つかったら、プレアプルーバルレターを添付し、物件購入のオファーを入れる④オファーが受理されると、売り手側の弁護士から契約書が送付される⑤買い手側の弁護士が書類を確認⑥問題がなければ、売り手と買い手の双方が売買契約書にサイン⑦銀行などにモーゲージの申し込みを行う⑧60日以内（通常クロージングに要する日数）にクロージングできる見通しが立った時点で、金利をロック⑨すべての書類、条件がクリアになったら、モーゲージ確約のレターが買い手に送られる⑩売り手と買い手が、双方の弁護士、銀行、不動産エージェントなどの立ち会いのもとでクロージングの契約書にサインし、売買契約が完了（クロージング）する。
