よこすかポートマーケット閉店1年延期へ 出店者ら計画

 横須賀市などが、三浦半島産の新鮮な農水産物などを扱う大型直売所「よこすかポートマーケット」(同市新港町)の閉店を1年延期する方向で調整していることが7日、分かった。10月に直売所の出店者でつくる事業者会が、運営する市の全額出資法人「シティサポートよこすか」に代わり、1年間限定で直営するとする事業計画などを市に提出。市も要望を受け入れる方針だ。

 ポートマーケットは2013年3月にオープンしたが、近隣の大型スーパーに価格競争で勝てなかったことなどから、店舗全体として売り上げ目標を一度も達成できていない。毎年1億1千万~7千万円の赤字を出し、その累積額は5億円近くに上る。同法人は今年1月の臨時理事会で、19年3月末での閉店を決めた。

 これに対し、出店者でつくる「よこすかポートマーケット事業者会」は10月18日付で、市に要望書と事業計画書を提出。その中で「現事業者9社のうち7社がまとまり、1年に限り事業者会の責任で継続運営したい」とした。

 市は閉店決定を受け、観光集客の核となる施設を跡地に誘致するための調査を行っている。ただ来春以降、事業者の選定などに時間がかかるため、施設が未使用状態になる。市は「施設を空にすることはしたくない。次の予定が決まるまでの1年間であれば問題ない」として認める方針。今後は市と同法人、事業者会で条件面や事業計画などを精査し、年明けに正式決定したい考えだ。

 市が所有する店舗前の駐車場の一部には市立2保育園を統合した上で、子育て支援機能も併せ持つ拠点施設「中央こども園」(仮称)を整備する方針だが、22年度を目指すとする開園時期などに影響はないという。

閉店を1年間延長する方向で検討が進んでいる「よこすかポートマーケット」=横須賀市新港町

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