2018年は遭難減少も死者2人 丹沢「山の交番」閉所式

 神奈川県警秦野署の丹沢臨時警備派出所の閉所式が7日、県立秦野戸川公園パークセンター(秦野市堀山下)で開かれた。「山の交番」として親しまれている同派出所は、塔ノ岳や鍋割山、ヤビツ峠などを管轄、山岳救助の拠点となっている。

 今年は4月6日に開所し、署員や市消防職員で構成する山岳遭難救助隊のほか、登山客が多い7、8月は県警機動隊員2~4人が詰めた。2018年の山岳遭難事故は12月6日現在、23件と前年同期に比べて12件減少し、救助人数も24人と前年同期比で17人減だった。同署は、事故減少について山中で事故防止と装備の徹底を呼び掛けた広報活動が奏功したとみている。

 一方、事故の内容は転倒が7件で最も多く、雨上がりの斜面や砂利で足を滑らせた事例があった。道迷いは3件で、地図なしで登山をしたり、携帯電話の地図に頼って迷ったりするケースも。死者は昨年と同じ2人だった。

 秦野署地域課長で同救助隊の島脇善紀隊長は「登山届を出し、水、食料、ライトなどを装備してほしい。携帯が通じるとは限らないので地図とコンパスも携帯して」と指摘。「単独ではなく複数人での登山を」と呼び掛けている。

 閉所式には救助隊員ら24人が出席、島脇隊長が村山英彦署長にピッケルを返還した。 

閉所式で村山署長(左)にピッケルを返還する山岳遭難救助隊の島脇隊長=秦野市堀山下の県立秦野戸川公園パークセンター

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