東日本大震災から7年9か月

By 大脇 桂

12月11日、東日本大震災が発生してから7年9か月

◆人的被害・避難者数

・2011年3月11日、国内最大規模となるM9.0の地震が発生し、大津波により東北地方の太平洋沿岸に大きな被害をもたらした。警察庁によると、2018年9月10日現在、死者1万5896人、行方不明者2536人、死者不明を合わせて1万8432人。

・復興庁によると、2018年3月31日現在、震災関連死は1都9県で3676人。震災関連死・直接死・行方不明者と合わせると合計2万2108人。

・復興庁によると、2018年11月12日現在、避難者数は5万4288人。県外避難は3万8503人(福島県3万3147人、宮城県4292人、岩手県1064人)。

◆裁判・裁判外紛争解決手続き(ADR)

・11月13日、福島県相馬市玉野地区の住民が東京電力に損害賠償を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、国の原子力損害賠償紛争解決センターが示した1人あたり20万円を賠償する和解案について、東京電力側が拒否したことがわかった。

・11月27日、福島県浪江町の住民が東京電力に損害賠償を求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東京電力が和解案を拒否し、打ち切られたため、一部の住民は、国と東京電力に13億円余りの慰謝料を求める裁判を福島地方裁判所に起こした。

・11月30日、気仙沼市は、唐桑町の災害公営住宅で80代女性の入居者が死亡したあと、関東圏に住む親族の女性が10匹以上のネコを飼い続けているのは不法占拠にあたるとして、災害公営住宅の明け渡しを求める訴えを仙台地裁に起こす方針であることを明らかにした。

◆事件・事故・不祥事

・11月12日、岩手県警は、震災で亡くなった山田町の80代女性の遺体を別の遺族に引き渡していたと発表した。

・11月20日、宮城県の復興工事などを受注している総合建設業エム・テック(さいたま市)が経営破綻した。宮城県は新たな業者と契約を結び直し、工事を再開させる方針。

・11月27日、宮城県警は、石巻市の金華山で鉄製の灯籠が崖に不法投棄された事件で、震災ボランティアの男性らを書類送検した。男性らは黄金山神社で片付けなどの作業の際に、神社の元職員とともに灯篭を崖に捨てた疑い。

◆復興

・11月20日、環境省は、原発事故で帰還困難区域になった福島県葛尾村の野行行政区で、特定復興再生拠点(復興拠点)の整備に向けた除染を開始した。

・11月30日、相馬市長は記者会見で、市営の災害公営住宅について希望者に払い下げを行う方針を明らかにした。払い下げの対象は、程田明神前団地の全46棟のうち、購入を希望した23棟。1棟385万円から476万円。購入の際、市が費用の支援を行うという。

・11月30日、復興庁は、岩手県、宮城県、福島県の3県15市町村に復興交付金760億円(事業費ベース)を配分すると発表した。

◆アーカイブ・遺構

・11月30日、国土交通省東北地方整備局は、東日本大震災の被害を伝える施設を示すマークを公表した。震災に関する遺構や資料館などの施設の標識などに用いられる。

◆その他

・11月20日、東京電力福島第一原発事故を題材にした映画が製作されることがわかった。タイトルは「Fukushima 50」。公開は2020年。

・11月30日、東京電力は、原発事故後、福島第一原発構内に設置した可搬型の空間放射線量測定用モニタリングポスト3台を撤去する方針であることを明らかにした。

◆東日本大震災から7年8か月
https://this.kiji.is/434005193652175969?c=78234666754819573

◆広島大学|地球資源論研究室|東日本大震災-被災地-
http://earthresources.sakura.ne.jp/er/EV_TKJ(4).html

◆警察庁|警察措置と被害状況[2018年9月10日]
http://www.npa.go.jp/news/other/earthquake2011/index.html

◆復興庁|震災関連死の死者数等について(平成30年3月31日現在)[平成30年6月29日公表]
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-6/20140526131634.html

◆復興庁|全国の避難者等の数(所在都道府県別・所在施設別の数)[平成30年11月30日]
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-1/hinanshasuu.html

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