タイガースが通算43勝の31歳右腕・ロスと1年契約

日本時間12月11日、タイガースは通算43勝の実績を誇る31歳の右腕、タイソン・ロスと1年契約で合意に至ったことを発表した。MLBネットワークのケン・ローゼンタールが契約合意を最初に報じたが、ローゼンタールによると年俸575万ドルに出来高がついた1年契約だという。タイガースは先週、通算54勝の29歳左腕、マット・ムーアを1年250万ドルで獲得しており、それに続く先発投手の補強となった。

パドレス時代の2014年に13勝14敗、防御率2.81、195奪三振の好成績をマークしてオールスター・ゲームに選出された経験のあるロスだが、2016年は胸郭出口症候群の影響によりわずか1試合しか登板できず、レンジャーズへ移籍した2017年も49イニングを投げて防御率7.71という悲惨な成績に終わった。パドレスに復帰した今季は22度の先発登板で6勝9敗、防御率4.45をマークし、シーズン途中に移籍したカージナルスでは先発で1試合、リリーフで8試合に登板して防御率2.73をマーク。最悪の時期を脱し、復活の兆しを感じさせるシーズンとなった。

タイガースが狙っているのは、今季のマイク・ファイアーズのように、復活の可能性がある投手を獲得してシーズン途中で「転売」することだ。ロスは2ケタ勝利2回、ムーアは2ケタ勝利3回の実績を誇っており、両者が復活を遂げるようであれば、7月末の「ノン・ウエーバー・トレード・デッドライン」において魅力的なトレード候補となるだろう。ただし、今季のタイガースはファイアーズの「転売」には成功したものの、フランシスコ・リリアーノは低調で需要がなく、トレードすることができなかった。「転売」は必ず成功するわけではないのだ。

再建期に突入しているタイガースがロスやムーアに求めるのは、前半戦はイニング・イーターとしてできるだけ多くのイニングを稼いだうえで好成績を残し、7月ないし8月のトレード市場で若手有望株との交換要員になることだ。今季、復活の兆しを感じさせたロスは、その期待に応えることができるだろうか。

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