【平成の長崎】新西海橋が開通 南北交流、観光振興に期待 平成18(2006)年

 佐世保市と西海市を結ぶ新西海橋(全長620㍍)が3月5日、開通した。約半世紀前にできた西海橋(同360㍍)とともに2つのアーチ橋が針尾瀬戸に並び、交通アクセス向上だけでなく、観光振興にも期待がかかる。開通式ではテープカットなどで完成を祝い、多くの市民やドライバーが渡り初めした。
 新西海橋は、県が長崎、佐世保両市間に整備中の地域高規格道路「西彼杵道路」(佐世保市―西彼時津町、50㌔)の一部。同橋開通に伴い、有料道路部分「西海パールライン」のうち、2期区間(佐世保市針尾東町―西海市西彼町小迎郷)2・8㌔も供用開始した。
 新西海橋は、西海橋に並行して針尾瀬戸をまたぐ鋼鉄アーチ橋(300㍍)とコンクリート橋(320㍍)で構成し、車道の下に歩道がある。2001年に着工、橋の総工費は95億円。既に利用されているパールライン一期区間(佐世保市江上町―同市針尾東町、2・2㌔)と接続する。通行料は、新西海橋を含む二期区間は普通車100円(1、2両区間通行の際は200円)。歩道部分は無料。
 開通による長崎―佐世保間の時間短縮効果はわずかだが、アーチの”共演”による景観の魅力アップのほか、西彼杵道路が全線開通すれば、アクセスがさらに向上する。
 鋼鉄アーチ橋部分は、片側3本のアーチの鋼管内にコンクリートを詰める国内の道路橋では例のない工法を採用。歩道の中央部分には展望バルコニーがあり、床に埋め込まれた直径80㌢の眺望窓からは豪快な渦潮を見ることができる。
 開通式は新西海橋上であり、金子知事や光武佐世保市長、山下西海市長らが出席。知事は「南北の経済、人的交流の促進や観光立県長崎のシンボルとして期待している」とあいさつ。テープカットや渡り初めで開通を祝った。歩道部分は開通式直後に開放、車道部分は午後五時に一般供用が始まり、待ちかねた市民が次々に橋を渡った。(平成18年3月6日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

テープカットし開通を祝う金子知事(左から4人目)、光武佐世保市長(同2人目)、山下西海市長(左端)ら関係者=新西海橋
歩行者用通路のガラス窓から針尾瀬戸を除く市民=新西海橋
通り初めをする住民ら=新西海橋

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