【都市伝説】「自殺すると保険はおりない」は本当なの?真相を聞いてみた。

こんにちは。保険ライターの紳さんです。

保険は「万が一の備え」として身近にあって欲しいもの。しかし、正直に言って「わからない」ことも多いですよね。

そこで僕は保険に関する「わからない」ことを無くしていくために、保険にまつわる様々な疑問を詳しい専門家の方にお聞きし、記事を書いています。

今回のテーマは自殺についてです。

……あ、いきなり重苦しいテーマで申し訳ありませんが、ここ40年間で日本における自殺者数が2万人を下回ったことはありません。

言い換えると毎年、日本では2万人以上の方が自殺で亡くなっていて、自殺率(人口10万人あたりの自殺者数の割合)は世界でもトップクラス。自殺はわりと身近な問題なんですよね。

さてさて、僕は自殺に関しては肯定も否定もする立場にないと考えていますが、知っておきたいことがあります。

「自殺すると保険はおりない」は本当なの?

自殺と保険の関係

そもそも、自殺でも生命保険がおりるとなると様々な問題が発生しますよね。

「自殺する直前に保険に入れば、家族に莫大な遺産を残すことができる」
「自殺に見せかけて家族を殺せば、保険を騙しとれる」

こういうことを考える人はいるでしょうし、保険会社としては大した掛け金も貰えないまま高額の保険金を支払うことになるのですから、商売あがったりなのは言うまでもありません。

また、いざとなれば家族を救うために自殺を選択する人間もいるでしょうし、「保険があるせいで死を決意」という最悪な事態も招きかねません。

そんな事情から、「自殺をすると保険はおりない」という話を噂レベルでよく聞きます。

実際のところはどうなのでしょうか?

そこで今回、保険について詳しい専門家である株式会社アークライフ・ライフプロデューサーの中里春奈先生に真相についてお聞きしたいと思います。

中里先生、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

自殺でも条件次第では保険はおりる?

先生、自殺の場合はやはり、保険はおりないのでしょうか?

はい。まず、日本の法律では保険法というのが定められていて、根本的に「被保険者が自殺をした場合」は保険金を支払わなくても良いとされています。

なるほど。法律で支払わなくて良いと決まっているのですね。じゃあ、やっぱり自殺だと保険はおりないんだ……

ところがですね、実際は自殺でも保険金を支払うケースは増えているんです。

ええっ!? 法律で支払わなくて良いと決まっているのに、どうして!?

それはですね、被保険者が「保険金目的の自殺ではない」と認められた場合、保険金は支払われるべきという考えがあるからです。

そもそも保険の根本原理は相互扶助、助け合いによるリスクの分散という考えのもとで成り立っています。例え死因が自殺だとしても、残された被保険者の家族の生活が脅かされるのであれば、保険はそれを助けるべきだと考えます。

なるほど。この複雑な社会においては自殺ってそもそも誰にでも起こり得ることですもんね。自殺に至るリスクを被保険者達の間で分散するというのは、自然な考えですね。

というわけで、問題となるのは被保険者が「保険金目的の自殺ではない」ということをどうやって証明するかです。

具体的には免責期間というのがあって、免責期間内(1年〜3年)に自殺した場合は保険金は支払わない、ということを契約の中に盛り込む保険会社が多いようです。最近では2年〜3年に設定するケースが増えているようですね。

ふむふむ。逆に言うと、2年〜3年の期間を耐えてから自殺した場合は支払われる場合があるということか。

そうですね。そもそも自殺を考えるような人が、「保険金」のためだけに2年も3年も頑張って生き地獄を耐えるというのは考えづらいことですからね。

まぁ、そうですね。自殺を決意してから2年も3年も生きるのは少々、不自然と言えますね。

また、例え保険に加入してから3年以上が経過して免責期間が過ぎたとしても、多額の借金をしている人が高額の保険に入って自殺したなら、それは状況的に「保険金目的の自殺」と捉えられてしまうことが多いので、注意が必要ですね。

ええっ!? 保険会社って、借金をどれぐらいしていたとか調べるんですか?

調べますよ。遺族から提出された死亡診断書もチェックしますし、死因や死亡状況に不審な点がないか、保険金が支払われるのに妥当なケースかどうかというのをちゃんと調査します。

しっかりしてますね、保険会社。

本当に追い詰められた自殺者はどうすればいい?

先生。保険は相互扶助のもとに成り立っているとおっしゃいましたよね。

はい。

ぶっちゃけ、免責期間内にどうしても死にたくなっちゃう被保険者もいると思うんですよ。だって、自殺って突然訪れる精神病みたいなものじゃないですか。誰にだって自殺の可能性があるはずです。

そうですね。

これは僕の個人的な考え方なんですけど、「保険金目的」じゃなかったとしても、本当に辛くて、病んでしまって、免責期間内に自殺してしまう被保険者もいると思うんです。

これって、保険に加入して、たまたますぐに病気になってしまった人とそんなに変わらないケースだと思うんですよね。

そういう考え方もあるかも知れませんね。

証明が難しいのはわかりますが、そういう事情の方に一切の保険金が支払われないのはかわいそうだなって思います。相互扶助の観点からも、もうちょっとなんとかならないものかと。

自殺しなければ良いんですよ。私は自殺をしたいと考えたこともありませんし、自殺なんて絶対にしてはいけないと思います。

僕も同じ考えですが、実際に年間2万人を超える方が自殺しています。やむを得ず、ということだってあるかと思います。そうやって、追い詰められた人が何か、救われるような話は無いですか?

んー。記事にするような内容の話ではないのですが……

行方不明になるという方法があります。

え?

認定死亡という制度があり、水難などで行方不明になった方は遺体が見つからなくても、官庁・公署に捜査を依頼することで「確実に亡くなった」という認定を受けることができます。

その場合、保険の受取人である遺族に保険金は支払われますか?

死亡診断書があれば、受け取ることができますね。津波などの災害で行方不明になった方は、この認定死亡の制度を利用して保険金を受け取ることが多いと思いますね。

つまり、天候が悪い日に川とか海に遊びに行って、そのまま行方不明になれば良いのか……

ダメですよ、そんなことしたら。絶対にダメですからね。

今のはあくまでトリビア的な話なので、本気にしてはいけません。

そうですよね。自殺なんて、絶対にしないほうが良いですよね。

私が何を言いたいのかというと、世の中って色んな抜け道があるということなんですよね。先ほどのトリビアもそうですが、物事には色んな考え方があって、問題を解決するために色んな方法があるということ。

自殺をする人って解決策がもう自殺しか無いと思い込んでる

じゃないですか。それがまず、間違っているんですよ。

なるほど、確かに。自殺する人は視野がとても狭くなってる状態ですね。

色んな問題がある。苦しいこともある。解決策が思いつかない。でも、自分が知らないことなんて山ほどあるわけで、知ることで解決できる問題だってあるわけですから。

だから、人間は知ることが大事なんですね。あらゆる問題を解決するために。先生、なかなかダークな話をうまくまとめましたね。

自殺ダメ、絶対。

まとめ

「自殺すると保険はおりない」の真相は、「条件次第ではおりる」ということでした。

保険会社からすれば、あくまで法律的には保険金は支払わなくても良いそうですが、相互扶助の観点から支払うケースが増えているようです。ポイントとしては、保険に加入してから2年〜3年の免責期間を過ぎているということが大切みたいですね。

また、保険会社の調査はしっかりしているので、保険金目的の自殺や殺人は見破られる可能性が高く、リスクしかなさそう。

そんなことに知恵を絞るくらいなら、もっと色んなことを勉強した方がよほど有意義な人生を過ごすことができそうです!

人が知恵を絞って解決できない問題なんて、基本的には無いのですから。

結論:自殺は無意味!

死ぬ前にやるべきこと、たくさんありますから。保険金のことなんて後回しにして、まずは状況を打破するために知恵を絞れば良いんですよ。

どんな状況でも、諦めちゃいけませんね! ポジティブに生きましょう!

とにかく、がむしゃらに生きよう! まずはそれから!

生きる!

© 株式会社保険コネクト